労使交渉再開 機構側と選手会の代表者による話し合い実施も進展なし

日本時間3月4日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会の代表者がニューヨークで非公式な会合を開き、労使交渉が再開された。機構側からダン・ヘイレム(副コミッショナー)とモーガン・ソード(上級副社長)、選手会からブルース・マイヤーとイアン・ペニー(ともに弁護士)が出席したこの会合は90分間続き、レギュラーシーズン第1週がキャンセルされる原因となった問題について話し合われたようだが、正式な提案が行われることはなく、目立った進展もなかったという。

フロリダで9日連続で話し合いが行われたにもかかわらず、合意することができなかった労使交渉。予定通り現地時間3月31日(日本時間4月1日)に開幕することが事実上不可能となり、最初の1週間に予定されていた合計91試合が中止となった。ロックアウトはすでに92日目を迎えているが、公式戦の開催がキャンセルとなった労働争議は1994~95年の長期ストライキ以来である。

ぜいたく税の上限ラインの引き上げが交渉決裂の要因の1つとみられており、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは上限ラインを大幅に引き上げることについて「戦力均衡を促進するための唯一の仕組みを弱めることになる」と話している。上限ラインが引き上げられた場合、ヤンキース、レッドソックス、ドジャースといったビッグマーケット球団は支出を増やすことが予想されるため、スモールマーケット球団のオーナーを中心に「戦力均衡が崩れてしまう」と反対の声が上がっているようだ。

現時点では次の正式な話し合いがいつ行われるかは未定。選手会は現地時間3月3日(日本時間3月4日)の夜にオンライン会議を開き、次のステップに向けての話し合いを行う予定であることが報じられている。労使協定の締結には30球団中23球団以上のオーナーの賛成が必要であり、交渉の主導権を握っているのはあくまでもオーナー側。「集客力の低い春先の試合が中止になっても問題ない」と考えているとみられるオーナー側からさらなる譲歩を引き出すのは困難を極めそうだ。

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