国内発のLNG燃料フェリー、「さんふらわあ くれない」と命名 山口・下関で進水式

山口県下関市で行われた命名・進水式(三菱造船提供)

 三菱重工業グループの三菱造船(横浜市西区)は3日、液化天然ガス(LNG)を燃料にしたフェリーの命名・進水式を山口県下関市で実施した。LNGを燃料にしたフェリーは、国内初という。

 LNGと、船舶用重油として一般に使われるA重油をそれぞれ燃料とするデュアルフューエルエンジンを搭載した。LNGは船舶用重油と比べ、発熱量あたりの二酸化炭素排出量が25%少ない。また、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)の排出量も、ほぼゼロになる。

 船名は「さんふらわあ くれない」。長さ約199.9メートル、幅28.0メートル、総トン数は1万7300トン。最大旅客定員数は716人で、13メートルトラック約137台、乗用車約百台の積載能力がある、という。

 商船三井(東京都)から2隻受注しているうちの1番船で、エンジンなど各種設備を取り付ける艤装(ぎそう)工事や試運転などを経て、今年12月に引き渡される。フェリーさんふらわあ(大分県)が運航する大阪~別府航路に、2023年1月から就航予定。

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