北条早雲お膝元、小田原駅西口周辺に新たな商業ビル検討 春から再開発本格化、「新幹線ビル」は天守閣の高さに

小田原駅西口の北条早雲像(資料写真)

 戦国武将・北条早雲像が立つ小田原駅西口周辺の再開発が今春から本格化する。「新幹線ビル」の通称で知られた商業施設なども入る高層マンションの建て替えが先行して進み、ロータリーや新たな商業ビルなどの一体的な再整備に向け、神奈川県小田原市は今春から周辺の地権者との協議に着手する。

 2023年度内に基本構想案を取りまとめる守屋輝彦市長は「駅前の機能を強化することが、交通利便性がいい小田原の強みを高めていく」と期待する。

 再開発エリアは観光バスなども乗り入れる駅前ロータリー(約6500平方メートル)と東側に隣接する駐車場や商業施設など約1ヘクタール。現在は手狭となっているロータリーの拡幅や新たな商業ビルの建設を検討する。

 ロータリー西側に隣接する13階建ての「新幹線ビル(小田原駅前分譲共同ビル)」は1975年に建てられ、長らく西口の顔となっていたが、老朽化から2020年7月に解体。新たに商業店舗や診療所、共同住宅190戸が入居する地上17階建て、地下1階の高層ビルが24年3月に完成する。

 同ビルの建て替えと連携し新たなまちづくりを考えようと、17年に駅周辺の地権者の有志らが協議会を設立。市も加わり、店舗などを新たな高層ビルに集約するなどの再整備の青写真を描いてきた。

 市は来年度の一般会計予算案に西口も含めた市内の市街地再開発事業として計2億3千万円を計上。コンサルタントに委託し周辺の市場ニーズ調査や整備プランをまとめ、地権者との合意を得て具体的な着工時期などを模索する。

 駅周辺の高さ制限は特例として小田原城の頂上と同じ標高約68メートル。生まれ変わる“新幹線ビル”は同67メートル(建物の高さ54メートル)で天守閣にほぼ並ぶ。市は「ポテンシャルのある駅前の街の魅力を高めていきたい」と説明している。

© 株式会社神奈川新聞社