選手会 「ポストシーズン出場14球団」を交渉材料として準備か

「ESPN」のバスター・オルニー記者によると、労使交渉が難航するなか、メジャーリーグ選手会はメジャーリーグ機構に対して「ポストシーズン出場14球団」の可能性について再び話し合いを行う意向を伝えたようだ。ポストシーズン出場枠の拡大については、選手会が12球団、機構側が14球団を希望し、最終的に12球団で合意したことが報じられていた。依然として最低保証年俸などの金銭面で双方の主張に大きな開きがある状況のなか、選手会は「ポストシーズン出場14球団」を交渉材料として金銭面の譲歩を引き出す狙いだ。

機構側は収入増のためにポストシーズン出場枠を昨季までの10球団から14球団に拡大することを希望していた。ポストシーズン出場枠が拡大されることで、テレビ局に販売できるポストシーズンの試合数が増え、「ニューヨーク・ポスト」のアンドリュー・マーチャンド記者によると、14球団によるポストシーズンが実現すれば、「ESPN」との放送契約の一部として、年間1億ドルを追加で得られるという。

とはいえ、マーチャンド記者によると、12球団によるポストシーズンでも年間8500万ドルの追加収入を得られるため、12球団から14球団への変更は機構側にとってそれほど大きな収入増となるわけではない。選手会は30球団の半数近くがポストシーズンに出場できることになった場合、すでにある程度の戦力を有している球団がさらなるアップグレードを追求しない可能性があり、FA市場への投資が減少することにつながることを懸念している。

選手会は「ポストシーズン出場14球団」の可能性について再び話し合うことで歩み寄りの姿勢を示し、最低保証年俸などの金銭面やキャンセルされたレギュラーシーズンの試合分のサラリーの支払いなどについて、機構側からの譲歩を引き出すことを狙っていると思われる。今後は機構側が「ポストシーズン出場14球団」をどれくらい強く求めるかが交渉のポイントとなっていくかもしれない。

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