機構側が提案した国際ドラフトの詳細が判明 公式サイトが報じる

日本時間3月6日、メジャーリーグ選手会との労使交渉のなかでメジャーリーグ機構が提案した国際ドラフトの詳細が明らかになった。メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンス記者が伝えている。国際ドラフトとは、これまで各球団が国際FAとして獲得していた選手をドラフト形式で指名していくものであり、カストロビンス記者によると30球団×20巡と戦力均衡ラウンドで合計600人以上の選手が指名されるという。指名順位ごとに契約金が定められ、全体1位の契約金は525万ドルとなっているようだ。

国際FAについては、選手が幼い頃から才能に目をつけた「ブスコン」と呼ばれる非公式な代理人に契約金の一部が流れていることなどが問題視されている。メジャーリーグ機構はこの「ブスコン」の慣習に終止符を打ち、選手自身がより多くの契約金を得られるシステムを構築したいと考えているわけだ。

カストロビンス記者によると、国際FA市場のトップ600選手が受け取る契約金は2019-20年が1億6390万ドルだったのに対し、機構側の国際ドラフト案では1億7250万ドルに増えているという。しかし、指名順位ごとに契約金を定めることで一部のトップ選手が得る契約金が制限されるため、選手会はこのシステムに反対することが予想されている。

国際ドラフトでも従来通り16歳未満の選手を獲得することはできず、すべての選手に薬物検査が義務付けられる。また、「野球を発展させていくための努力として、伝統的な国際野球国以外の選手を指名して契約するための補足的な指名権を与える」ことも提案されている。国際ドラフトで指名されなかった選手とドラフト外で契約することも可能であり、各球団は20巡の指名権をパスすることはできないものの、指名権をトレードすることはできるという。

興味深いのは、指名順が前年のレギュラーシーズン成績と無関係であることだ。機構側の国際ドラフト案では30球団を6つのグループに分け、6つのグループを5年単位でローテーションしていく。たとえば、2023年の国際ドラフトで全体1~6位に割り当てられたグループは、翌年には全体7~12位に割り当てられる、といった感じだ。カストロビンス記者は「インターナショナルの才能に30球団が平等にアクセスできるようにするため」と記している。

© MLB Advanced Media, LP.