3年ぶりのリーグ制覇を狙うJ1横浜Mは、過密日程の開幕5試合を3勝1分け1敗と上々のスタートを切った。主力にけが人が続出するなか、期待の新戦力が台頭。6日の清水戦で無失点勝利に貢献したDF角田涼太朗(22)は、「スタメンで1試合出ただけで、まだ何も成し遂げていない。いつチャンスが来るか分からないので準備したい」と浮かれずに次の出番を待つ。
5連戦の締めくくりとなったホーム清水戦。負傷の畠中が不在のセンターバックに抜てきされたのは、プロ初先発の角田だった。
◆うれしさと不安
「うれしさと不安が半々だった」という一戦で相手攻撃陣をシャットアウト。機を見て自らボールを持ち運び、狭いコースに正確なパスを通して攻撃の組み立て役も担った。
試合終盤には両脚がけいれんするアクシデントもあったが、「ほとんどミスなくできた」。思い切った起用で急場をしのいだマスカット監督は「素晴らしいパフォーマンス。周囲のサポートもあったが、自分の力をしっかり見せてくれた」と評価した。
J1浦和の育成組織出身で、前橋育英高(群馬)では3年時に全国高校選手権を制覇。筑波大に進み、年代別代表にも選出された世代屈指のセンターバックだ。
「居心地が良くなりすぎていた」とあえて厳しい環境に身を置こうと、昨夏に大学のサッカー部を退部。半年前倒しでプロ生活をスタートした。
◆勝利の味を知り
昨季はリーグ戦出場1試合。待ちに待った先発デビューで勝利の味を知り、「楽しかったし、充実感もある。やっぱり試合に出るのは大切だと感じた」と得たものは大きい。
9日の調整で一部別メニューだった畠中はだ万全ではなく、12日の札幌戦で再び出番が回ってくる可能性もある。
「同じポジションに素晴らしい選手がいるので試合に出るのは簡単ではないけれど、日々成長していくことが大切。その中でチームに貢献できればいい」。地に足を着け、最善の準備をすることだけに集中する。