ドラえもんと同劇場に坂田監督は感激 「宮田バスターズ(株)―大長編―」シネコン上映

タンクくんに手をあてる(左から)渡部直也、坂田敦哉監督、宮崎美子=都内

SFモンスターパニック映画「宮田バスターズ(株)―大長編―」が10日、都内のTOHOシネマズ日比谷で上映され、坂田敦哉監督(23)、主演で中小企業の社長役の渡部直也(38)、特別出演で旅館のおかみ役の宮崎美子(63)が舞台挨拶を行った。

2019年にカナザワ映画祭で評判を呼んだ学生による自主短編映画が、クラウドファウンディングで資金を募り、長編として再構成。坂田監督が脚本・撮影・特殊造形を兼任。20メートル四方の撮影セットはホームセンターを利用して作り上げた〝DIY〟映画。TOHOシネマが選出する〝ピックアップ・シネマ〟として、一夜限りのシネコン特別上映が行われた。

坂田監督は「子どもの頃、ドラえもんが映画を作る話を読んで映画を撮るようになったので、ドラえもんと同じ劇場で上映されることに感動しています」とあいさつ。別の作品で共演していた坂田からの出演依頼を快諾した宮崎は「さっぱり分からなかったですけど、宇宙生物が見たくて現場に行きました。人の手で一つ一つ組み立てる、映画の根本を味わえました。ちょっと荒っぽいところはありますよ。でも映画ってそうなんですよね。ちゃんと物語があって、大人の鑑賞にも堪(こた)えうるものになっています」と語った。

撮影中に演技に関する提案を行ったという宮崎は「こうしたらどうでしょう、というアイデアをくんでいただきました」と学生と一体となった映画づくりが印象に残った様子で、渡部も「たくさんアイデアを出してくださいました」と恐縮していた。

坂田監督は2018年に知り合った、渡部を主役に据えた作品を構想。「この映画は普通とは逆で、伝えたいメッセージはもともとありませんでした。僕は脚本からではなく、一枚絵から想像を広げて、特撮のようなシーンを作りたかったので、渡部さんは中小企業の社長っぽいなと思い、SFで宇宙生物を駆除する中小企業を考えて…。宮田バスターズというタイトルは最後に決まりました」と語った。

また、ロボットとも生き物ともとれるキャラクター・タンクくんについて、坂田監督は「イメージはドラえもんです」と感慨深げに語った。最後は満席の観客に向けて3人で決めポーズを繰り返し、会場を沸かせていた。

客席に決めポーズを行う

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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