県立校の部活動2カ月ぶり再開へ 小中学校は市町教委が判断

栃木県教育委員会が入るビル

 栃木県教委は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて全県で中止している部活動について、県立学校で12日から段階的に再開することを決めた。中止の措置を取った1月22日以降、約2カ月ぶりの再開となる。市町の小中学校については、各市町教委に感染状況に応じて判断してもらう。

 臨時の県市町教育長会議を開き、県教委が方針を説明。会議後、荒川政利(あらかわまさとし)県教育長は「高校では4月に大会がある競技があり、引退する3年生もいる。けが防止のためにも少しずつ練習を認める」と再開の理由を説明した。

 会議では市町教育長らから「子どものストレスがたまっており解禁の方向で進めたい」とする声があった一方、感染状況が高止まりする中での再開に慎重な意見もあったという。荒川教育長は「(いずれの意見も)尊重したい」と述べた。

 県立学校では原則平日のみ、1日2時間以内とし、部活動に関するマニュアルで示した感染対策の徹底を求める。大会を控える部活動に限って土日のいずれかの活動を認める方針。練習試合は原則不可とする。

 県内では年明けに部活動でのクラスター(感染者集団)が相次いだことを受け、関東でいち早く部活動の中止を決めた。荒川教育長は「異学年や別のクラスの生徒との接触が減り、一定の効果はあったのでは」と分析した。会議では学校で感染者が確認された場合の対応や、ワクチン接種に関する情報なども共有した。

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