震災直後の宮城・石巻伝え 伊勢原市役所で写真展

東日本大震災直後の宮城県石巻市の被害状況を写した展示=伊勢原市役所

 東日本大震災から11年―。神奈川県伊勢原市役所1階ロビーで市職員が撮影した震災直後の宮城県石巻市の写真が展示されている。18日まで。

 大震災の記憶を風化させず、市民の防災意識の啓発を図ろうと企画した。

 発生直後の同年4、5月にボランティアとして石巻市を訪れたのは、伊勢原市危機管理担当部長の大山剛さんら。ロビーには、避難所の様子や津波で陸に打ち上げられた漁船、津波後に発生した火災で焼けた街並みなどの写真20枚が並ぶほか、巨大地震への備えをパネルで紹介している。

 大山さんは「市街地を歩くと、津波や火災の影響があちこちに残っていた。海の香りがする街で、焦げ臭さや油の臭いが鼻を突いた。被害は想像をはるかに超え、災害の恐ろしさを知った」と当時を振り返り、「関心が薄れると一気に風化が進んでしまう。当時の記録を改めて見直して、地震に備えてほしい」と話している。

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