アスレチックスの解体がスタート 先発右腕バシットをメッツへ放出

年俸総額削減のために主力選手の大量放出が予想されているアスレチックスのチーム解体がスタートした。「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、アスレチックスは昨季オールスター・ゲーム初選出の先発右腕クリス・バシットをメッツへ放出。「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者は、アスレチックスがバシットの対価としてJT・ギンとアダム・オラーの2選手を獲得することを伝えている。メッツはジェイコブ・デグロムとマックス・シャーザーに次ぐ先発3番手を手に入れた。

現在33歳のバシットは昨季アスレチックスで27試合に先発して12勝4敗、防御率3.15の好成績をマークし、オールスター・ゲームに初選出。しかし、8月に打球が顔面を直撃するアクシデントがあったため、規定投球回をクリアすることはできなかった。短縮シーズンの2020年にはキャリア唯一の規定投球回到達を果たし、リーグ3位の防御率2.29を記録。今季終了後にFAとなり、年俸調停期間3年目となる今季の年俸は880万ドル前後と予想されている。

アスレチックスが獲得する2選手のうち、現在22歳のギンは「MLBパイプライン」の球団別プロスペクト・ランキングでメッツ5位にランクインしていた有望株。2020年ドラフト2巡目指名でプロ入りし、昨季はA級とA+級で合計18試合に先発して5勝5敗、防御率3.03をマークした。

ギンとともにアスレチックスへ移籍するオラーは現在27歳。前述の球団別プロスペクト・ランキングにはランクインしていないものの、昨季はAA級とAAA級で合計23試合に先発して9勝4敗、防御率3.45をマーク。昨年11月にはルール5ドラフト対策のプロテクトで40人ロースター入りを果たしており、今季中にメジャーデビューする可能性が高い。

メッツはこのトレードにより、デグロム、シャーザー、バシット、タイワン・ウォーカー、カルロス・カラスコという右腕5人による強力ローテーションが完成。タイラー・メギルとデービッド・ピーターソンがマイナーに控える充実の布陣となった。一方のアスレチックスはさらなる主力放出が予想されており、マット・オルソン、マット・チャップマン、ショーン・マネイアらの動向が注目される。

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