大切な「当たり前」の日常 長崎、鎌倉の児童が平和巡り意見交換 ウクライナ侵攻も

「当たり前を大切にしていこう」と小坂小の児童にオンラインで語り掛ける付属小の児童=長崎市文教町、長崎大付属小

 長崎市の長崎大付属小5年生と、神奈川県の鎌倉市立小坂小6年生が8日、長崎原爆などの平和と環境問題についてオンラインで交流した。児童らは「よりよい未来のためにできること」と題した共同の宣言文づくりに取り組む中で、ロシアのウクライナ侵攻により、現地では普段の暮らしができないとして「当たり前を大切にしていこう」などと意見を交わした。
 付属小は長崎原爆などの平和学習、小坂小は環境問題を学んでいる。両校の授業を受け持つ長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授が、互いに学びを深めてもらおうと企画した。
 付属小の児童は、きのこ雲を描いた紙芝居を示しながら「想像してください」と呼び掛け、サッカーなど「楽しいことが一瞬で消えてしまった」と語り掛けた。平和の思いを込めて作詞作曲した歌を歌った児童もいた。小坂小の児童は、拾ったごみをより質の良いものにつくり替える「アップサイクル」などの取り組みを発表した。

「自然と人間の共存」の必要性をモニター画面で語る小坂小の児童

 宣言文づくりでは、環境問題に注目した「自然と人間の共存」や、食品ロスを減らして環境を改善し「世界中の人たちが幸せに暮らせる世界を創る」などの意見が挙がり、「平和の大切さを伝える」などもあった。今後意見を集約し、宣言文を仕上げる予定。
 付属小の東愛桜(なお)さん(11)は「(自分たちの)学びを伝え、周りの人が『戦争が大変だ』と思ってもらうことが大切」と話した。中村准教授はウクライナ侵攻に触れ「戦争は遠い世界の話ではなく、環境は破壊され命も失われる。今だからこそ自分の問題として考え、発信することが大切だ」と語った。


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