神奈川のロケ誘致 綾瀬、湯河原は「効果あり」 観光産業活性化の可能性

湯河原町の万葉公園

 映画やドラマのスタジオ外での撮影(ロケ)を誘致し、作品を見た人に現地を訪れてもらう─。そんな「ロケツーリズム」で地域の活性化に注力する神奈川県綾瀬市と湯河原町の実績を財務省横浜財務事務所が調査し、経済効果や広告換算効果をリポートにまとめた。

 両自治体は庁内にロケの依頼を受け付ける窓口を設け、従来は制作側が一手に担っていた関係者との調整作業をサポートする仕組みを構築。公共施設をロケ用に貸し出すとともに、民間の協力を得て飲食店や神社、高齢者施設などでも撮影に応じている。

 リポートでは、2014年度に活動を本格化した綾瀬市について直接的、間接的な経済効果を20年度までの累計で計約3300万円と算出。広告換算効果は約91億円とはじいた。20年8月に体制を整えた湯河原町の広告換算効果は半年間で約5億円に上ったとした。

 新型コロナウイルス禍で近場への小規模な旅行が注目される中、同事務所の担当者は、首都圏に位置する両自治体の取り組みを効果的と分析。「ロケ地の分散によって密を避けた旅行を促せれば、厳しい業況が続く観光産業の活性化につながる可能性がある」としている。

 詳細は、同事務所のホームページ(http://kantou.mof.go.jp/yokohama/)。

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