北越メタル株式会社(新潟県長岡市)が業績予想を下方修正

北越メタル株式会社(新潟県長岡市)は17日、2月3日に公表した業績予想と、2021年5月11日に公表した期末配当予想の修正を発表した。

2022年3月期通期連結業績予想では、売上高は前回予想と変わらず280億円だが、営業利益が5億円の赤字から3億円下方修正し、8億円の営業損失。経常利益は4億円の赤字から3億5,000万円下方修正して、7億5,000万円の経常損失。当期純利益は4億円の赤字から6億円下方修正し、10億円の最終赤字とした。

修正の理由について同社は、売上高は前回予想並みの水準を確保できるものの、昨今の地政学的リスクの高まりに伴い世界的に鋼材の供給難が不安視されたことで、主原料である鉄スクラップ需要が急拡大し、想定を大きく上回る価格水準まで高騰。これにより、引き続き製品販売価格への転嫁に注力しているものの、短期間での販売価格の是正には至らなかったため、棚卸資産の収益性を慎重に検討した結果、棚卸資産評価損(売上原価)を計上する見込みとなったと説明。

加えて、現在の不透明な事業環境を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部取り崩しにより多額の税金費用を計上することで、利益面では前回予想を下回る見込みなったため、通期の業績予想を修正したと説明した。

配当については5月11日発表の予想では未定としていたが、現時点の業績予想を踏まえて期末の配当予想を1株あたり1円に修正する。

通期業績予想では当期純損失を計上する見込みではあるものの、株主への長期的かつ安定的な利益還元も重要な課題と認識しているため修正したと説明した。

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