【DeNA】4年目の知野、初の開幕1軍へ存在感 打撃でアピール「ことしは勝負の年」

横浜DeNA・知野

 今季4年目の横浜DeNA・知野直人内野手(23)が初の開幕1軍入りを目前にしている。与えられたチャンスを逃さず、確実性が増した打撃でアピール。オープン戦で際立った存在感を放つ背番号60は「ことしは勝負の年。何としてでも1軍に食らいつく」と表情を引き締める。

◆いやらしい打者に

 16日のヤクルト戦(神宮)でも成長の一端を示した。四回1死。3球で追い込まれながらも際どいボールを見極めて四球を選んだ。ここまで完璧に抑えられていた小川から初出塁すると、楠本の適時二塁打で生還。一挙5点を奪う猛攻のきっかけをつくった。

 七回の先頭では一塁にヘッドスライディングをしてぼてぼてのゴロを内野安打とし、ダメ押し点につなげた。三浦監督の評価も高まるばかりで、「四球は粘って勝ち取ったもので、安打以上の価値がある。走塁でもベンチでの姿でも、1軍をつかもうとする気持ちが伝わってくる。いやらしい打者になってきた」。

 オープン戦はここまで全13試合に出場。チーム最多の43打席に立ち、打率2割9分7厘、出塁率3割7分2厘の好成績をマークする。1軍デビューした昨季、3.3打席に1度のペースで三振した姿はもうない。

◆内野ならどこでも

 守備では本職の遊撃で3失策、一塁で2失策と荒削りな面は否めないが、内野ならどこでも守れるのも魅力の一つ。「いろいろなところを守れた方がチャンスがある。行けと言われたところで安定してプレーできるようにしたい」と話す。

 同じポジションのベテラン大和や柴田のほか、牧や宮崎ら内野陣の層は厚いが、誰もがシーズンを通して活躍できる保証はない。石井野手総合コーチは春季キャンプでこう断言していた。

 「優勝できない理由は選手層の薄さ。若い選手をどれだけ底上げできるか。1人、2人でも出てきてくれたらすごくチーム力が上がる」。ドラフト6位指名の右打者は、脇役からブレークを果たせるか。

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