津久井氏、相馬氏競り合う 迫る星氏、浸透図る鈴木氏 大田原市長選 終盤情勢

右上から時計回りに津久井氏、鈴木氏、星氏、相馬氏。背景は大田原市役所

 【大田原】任期満了に伴う市長選は20日の投開票に向け、終盤戦に入った。4選を目指す無所属現職津久井富雄(つくいとみお)氏(72)=自民、公明推薦=と、無所属新人の前県議相馬憲一(そうまけんいち)氏(64)が激しく競り合う展開になっている。無所属新人で前市議の星雅人(ほしまさと)氏(37)は2氏に迫る勢いで、同鈴木隆(すずきたかし)氏(63)は浸透を図る。各陣営とも大票田の大田原地区での票の取り込みに向け、街頭演説などで最後の追い込みを図る。

 郊外の黒羽、湯津上両地区では津久井氏が3期12年の実績と組織力を武器に安定した戦いを進めている一方、無党派層の多い市街地の大田原地区では、相馬、星氏と3人で激しく競い合っている。

 津久井氏は市議21人中17人の支援を受け、自身が後援会総連合会長を務める簗和生(やなかずお)衆院議員、義弟の池田忠(いけだただし)県議も協力。農業団体なども支援する。街頭演説ではインフラ整備などを実績に挙げ、「国と県との強いパイプがある」と強調する。終盤に向け、市中心部への一層の浸透と各市議の後援組織の票固めを進める。

 相馬氏は政党推薦はないが、後援会の副会長には造林業植竹雅弘(うえたけまさひろ)自民党黒羽支部長、顧問には建設業玉木茂(たまきしげる)大田原商工会議所会頭が就き応援。中心市街地の商工業者、建設業者も支援に入る。企業回りや街頭演説で「財政健全化へ第三者委員会を設置する」とし、市議・県議の実績と市政刷新を訴え、支持拡大を図る。

 星氏は郡司彰(ぐんじあきら)元県議を選対本部長に、同級生や若い世代の協力を受ける。1日10カ所以上を目標とする街頭演説では「国民健康保険税と介護保険料を引き下げ、市民負担を軽減する」と主張し、会員制交流サイト(SNS)も駆使してアピール。未来に責任を持つ今の大人世代として、若さを武器に世代交代を訴える。

 鈴木氏は、国家公務員36年間の経験を基に「国からの追加予算を確保する」と財政強化策を掲げる。中高の同級生や後援会役員らの協力を得て1日6~8カ所で街頭演説。終盤は地元大田原地区での浸透を図る。

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