東京・日本橋の老舗3社と新進気鋭の若手料理人らがコラボ、かつおだしが効いたアイスクリームなどスイーツ3種を期間限定で売り出している。和と洋、伝統と先端などをつなぐ贈答品との思いを込めて「つなぎふと」と名付けた。(共同通信=中村彰)
最も意外だった組み合わせは1699(元禄12)年に創業した「にんべん」のかつお節を生かした「だしアイス~おだしのおめかし~」(3個入り1950円)。自然栽培を中心とした野菜やアイスクリームを販売する「青果ミコト屋」(横浜市青葉区)と手を組んだ。
かつお風味のアイスクリームは想像の範囲外だったが、食べてみると実になじんでいる。「だし、すだち、かつお生姜(しょうが)」が最もだしの香りと味わいが濃厚だ。だしがらを有効利用した「つゆの素キャラメル&だしがらクッキー」はパンチが効いた甘さ、「だし巻き玉子」は卵の優しい風味が生きている。
1877(明治10)年に創業した和菓子の「日本橋日月堂」は小伝馬町のビーガン焼き菓子専門店「ovgo B.A.K.E.R」と協業した。
てん菜糖を使ったあんこを挟んだクッキー「日本橋あんサンブル」(6枚入り2760円)は抹茶、ごま、プレーンの3種類。サトウキビが原料の砂糖とはひと味違った独特の甘さが後を引く。
「カステラ一番」のCMでおなじみの「文明堂東京」はフランス料理店「ラ・ボンヌターブル」の中村和成シェフと「洋生カステラ ボンヌ堂」(5切れ入り2500円)を開発した。
卵黄と卵白の重量比が5対3で濃厚な味わいの「五三カステラ」を使用。ピスタチオの食感と、カルダモンをまとったユズのコンフィチュールの香りが組み合わさり、カステラ単品とは異次元の味わいに昇華した。ただし、フレッシュさを重視したため、賞味期限は1日だ。
コンセプト作りやパッケージデザインなどは、それぞれ日本橋周辺を拠点とするクリエーター集団が関わっている。
日本橋の地域フェス「SAKURA FES NIHONBASHI 2022」の期間内の3月26日、27日にCOREDO室町テラス大屋根広場で個数限定で販売。
「だしアイス」は「MICOTOYA HOUSE」(横浜市青葉区)で、「日本橋あんサンブル」は日本橋日月堂が店頭で、「ovgo B.A.K.E.R Edo St.」が店頭とネットショップで、それぞれ4月10日まで販売する。