『戦争は絶対にだめ、いつまでも平和で』 城山小に嘉代子桜“2世”植樹 通学路沿いに計10本

嘉代子桜の苗木を植える本田さん(左)ら=長崎市城山町

 長崎原爆で亡くなった林嘉代子さん=当時(15)=をしのぶ長崎市立城山小の「嘉代子桜」の苗木が11日、同校に植樹された。“親子”で平和の願いを伝えていく。
 学徒報国隊員として派遣された旧城山国民学校(現・城山小)で被爆死した嘉代子さんらをしのび、母・津恵さんが1949年、娘が好きだったソメイヨシノの苗木を寄贈。約50本が同校に植樹された。運動場の拡張や整備で伐採され、残り6本になり、いずれも桜の寿命(50~70年)を越えている。
 同窓会などでつくる城山小原爆殉難者慰霊会が、原木に接ぎ木して育てた苗木100本を、希望する県内外の自治体などに寄贈している。11日は同小の通学路「永井坂」と「平和坂」沿いに計10本を植えた。
 同慰霊会の本田魂会長(78)は、被爆者の高齢化で「語り継ぐことが難しくなってきている」としながらも「修学旅行生たちも見学に来る。嘉代子桜を見て意義を知ってもらいたい」。武末弘之校長は“2世”植樹の意義について「嘉代子さんの『戦争は絶対にだめ。いつまでも平和であってほしい』という願いが生き続けることだ」と語った。


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