「平和を」「原発攻撃止めろ」 露のウクライナ侵攻に400人抗議 長崎

プラカードを掲げ、ロシアのウクライナ侵攻に抗議する参加者=長崎市松山町、平和公園

 ロシアのウクライナ侵攻に抗議する緊急集会が6日、長崎市の平和公園平和祈念像前で開かれ、被爆者5団体の呼び掛けに被爆者や労組関係者、高校生ら計約400人が集まった。参加者は「原発攻撃止めろ」「ウクライナに平和を」などと書かれたプラカードを手にロシアを強く非難。日本政府には「非核三原則」を守るよう求めた。
 「こんなことが今の時代に許されるのだろうか」。マイクを握った県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(82)は、何の罪もない女性や子どもが犠牲となっているウクライナの現状をこう嘆いた。核兵器の使用を示唆し、原発を砲撃したプーチン大統領に対し「人としての心、人間としての常識はないのか」と語気を強めた。
 長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(81)は「被爆者は怒りと恐怖に震えている」と心境を吐露。ウクライナ情勢と並行し、日本国内で「核共有」の議論を求める声があることに反対した上で「再び日本を77年前の惨禍に導こうとしているのか」と疑問を呈した。
 若い世代も声を上げた。元高校生平和大使で、長崎大核兵器廃絶研究センター特任研究員の林田光弘さん(29)はロシアによる侵攻を「70年以上かけて守ってきた平和の秩序に対する戦いだ」と強調。「(戦況を)スマホやテレビで見ているだけの自分の情けなさも感じる。ただ、遠く離れた長崎で平和を願う私たちの思いは必ず届くと信じている」と呼び掛けた。
 高校生平和大使と「高校生1万人署名活動実行委員会」のメンバー計25人も参加。ロシアに対し、核兵器による威嚇、核関連施設への攻撃などをやめるよう求める声明を読み上げた。


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