金子氏後任に山本氏 自民、一枚岩になれるか 参院選長崎

金子氏後任の参院選候補について協議した自民党県連の選挙対策委員会=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 自民党長崎県連は今夏の参院選長崎選挙区の候補として、県連幹事長の山本啓介県議(46)を選出した。現職の金子原二郎農相(77)が後任の条件に挙げた「若い県議」となったわけだが、出馬予定の野党の若い女性2人を相手に「簡単な選挙ではない」(県連幹部)との声も聞かれる。先月の知事選では保守分裂選挙となっており、党内が一枚岩となれるかが焦点だ。
 「覚悟を決めて手を挙げた。今は身震いするほどのやる気がみなぎっている」。記者会見に臨んだ山本氏に笑顔はなく、終始緊張した表情で質問に答えていった。
 複数の関係者によると、今月7日に不出馬を表明した金子氏は、後継として山本氏を積極的に推していた。一方、自民党衆院議員の谷川弥一氏(80)=長崎3区=は前県議会議長の瀬川光之氏(60)の擁立を望んでいたとされる。金子、谷川両氏はともに県内政界の実力者で、今回は山本、瀬川両氏の事実上の一騎打ちとみられていた。
 さらに知事選では、山本、瀬川両氏ら自民県議15人は初当選した大石賢吾知事を支援したが、別の自民県議14人は当時の現職中村法道氏の4選を求めていた。
 選対出席者の一人は「金子氏と谷川氏の間でしこりが残らなければいいが。県議団も一丸となれるだろうか」と懸念する。山本氏は記者会見で「県議団は参院選候補が誰になろうとも支えると(既に)確認していただいており、感謝しかない。今後は私自身が先頭に立ち、党の地域、職域支部、友好団体に理解を求めていきたい」と強調した。
 また参院選長崎選挙区には、立憲民主党県連副代表の白川鮎美氏(42)と共産党県委員会女性部長の安江綾子氏(45)の、山本氏と同世代の女性2人が立候補を予定。山本氏は「党本部の公認を得られれば、政権与党の施策の確かさを訴えることにプラスして、『若さ』を前面に出していきたい」と力を込めた。


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