自民党長崎県連「勝てる候補の選出急ぎたい」 金子農相が政界引退へ、後任選び本格化

 自民党参院議員で農相の金子原二郎氏(77)が今夏の参院選長崎選挙区への不出馬を表明したことで、党県連は今後、後任選びを本格化させる。
 「参院議員は国と県のパイプ役。将来の長崎県を考えた時、県政に精通している若い県議がふさわしい」。金子氏は記者会見で後任候補のイメージを具体的に語りつつも、意中の人物は「いない」と述べた。だが党内外では既に複数の自民県議の名前が浮上。党県連の山本啓介幹事長は記者団に、金子氏を慰留したが受け入れられなかったとして「夏はすぐそこまで来ている。勝てる候補の選出を急ぎたい」と述べた。公募など選定方法についても協議するという。
 「なぜこのタイミングでの不出馬表明なのか」。党関係者は首をかしげる。8日から3日間、県議会の新たな委員会構成を決める全員協議会で自民県議も集まるため、県議の一人は「速攻で(後任を)決めろということではないか」と推し量る。また「13日の党大会で参院選候補が紹介される前に態度を表明する必要があったのではないか」(別の県議)との見方もある。
 長崎選挙区には、立憲民主党県連副代表の白川鮎美氏(42)、共産党県委員会女性部長の安江綾子氏(45)の新人2人も立候補を予定。立民県連の赤木幸仁幹事長は「誰が出てきても弱者の目線から訴える姿勢は変わらない」。白川氏を推薦する連合長崎の髙藤義弘会長は「相手が金子氏ならば『世代交代』を知事選で訴えていたではないかと突っ込めたが、それができなくなった。戦い方を工夫しないといけない」と述べた。共産県委員会の山下満昭委員長は「政権交代の足掛かりをつくる立場で戦うことに変わりはない」と話した。


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