「おれおれ」被害額が3倍、前月比1億円増に 神奈川の2月特殊詐欺統計 県警幹部「初期の手口が復活」  

神奈川県警本部

 神奈川県警が2月に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、息子や孫になりすます「おれおれ詐欺」の被害額が前月比で3倍近い約1億5500万円(前月比約1億円増)に上ったことが17日、県警のまとめで分かった。件数も前月比38件増の68件と倍増。手口別でもおれおれ詐欺が最多となり、被害額の6割超、件数の5割近くを占めた。

 特殊詐欺全体の被害額は同約1億3200万円増の約2億4500万円、件数は同70件増の147件となり、いずれも2カ月ぶりに増加した。

 県警が2月に認知したおれおれ詐欺のうち、横浜市旭区の80代女性が現金計2100万円を手渡して詐取される事件があった。女性宅には事前に息子を装った男から「財布と携帯をなくした」「代理人が仕事の手付金を取りに行く」などと電話があったという。

 息子を装った男から交通事故や痴漢の示談金名目で現金をだまし取られるケースも確認され、県警幹部は「おれおれ詐欺が出てきた初期によく見られた手口が復活している。犯人グループが次々と手法を入れ替えながら詐欺を行っている」と警戒を強めている。

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