ロッテ優勝は「佐々木朗希の使い方」次第 元ハム捕手がパ・リーグ順位を予想

楽天・石井一久監督(左)とロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】

野球評論家・野口寿浩氏のパ・リーグ順位予想「どこも優勝しそうな気がしています」

プロ野球のペナントレースが25日に開幕する。パ・リーグは、楽天が球団史上初となるオープン戦優勝。投打ともに充実した戦力で2013年以来9年ぶりのリーグ制覇と日本一を目指す。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で捕手として21年間活躍した野球評論家、野口寿浩氏がシーズンを展望。「どこも優勝しそうな気がしています」と熾烈な優勝争いを予想する。

楽天は熾烈な定位置争いでチーム力が上がってきた。野口氏は「レギュラーは浅村栄斗、島内宏明だけ」と言及。和田恋は打率.366を記録。「個の力は上がってきている。大変な競争になっていて、鈴木大地が出られない可能性もある。1年間競争が続けば、かなりいい成績を残すと思います」。新加入の西川遥輝もフィット。チームに相乗効果をもたらしていると指摘する。

田中将大、涌井秀章、岸孝之、則本昂大、早川隆久、瀧中瞭太ら先発陣は「実力者揃い」。さらに守護神・松井裕樹らブルペン陣を「12球団No.1」と評価する。田中将について、野口氏は「今年はじっくり調整している。勝ち負けは打線の兼ね合いですが、防御率は2点半ばに戻るのでは」とエースの活躍を予想した。

対抗に挙げたロッテは「佐々木朗希の使い方がどうなるか」。先発ローテの一角として回すことができるかが優勝のキーポイントと読む。「益田直也ら救援陣は揃っている。(佐々木朗は)防御率はかなりいい数字を残すと思います。ずっとローテーションで回れば最多勝も取れるかもしれない」と3年目の大ブレークを期待した。打線については若手の成長を求める。「藤原恭大、安田尚憲が一皮むければ優勝はあると思います」と野口氏は語った。

野球評論家・野口寿浩氏【写真:荒川祐史】

新庄ビッグボスの日本ハムは最下位予想「若い選手はオープン戦で分析される」

リーグ連覇を目指すオリックスは「先発陣の力が抜けている。今年も山本由伸の年になりそう」と高く評価する。山岡泰輔の復活も予想した一方で、課題に挙げたのが「外国人の怖さがないこととリリーフ陣」と指摘した。「打線は長打力のあるT-岡田の頑張り次第。救援投手の数はいる。中嶋監督がどういうやりくりをするか」と読み解いた。

昨季4位に沈んだソフトバンクは千賀滉大、石川柊太、和田毅に続く先発投手が現れるか。東浜巨、田中正義、松本裕樹らをキーマンに挙げた。一方で、打線については「主力に故障者が出た時にカバーできる選手が少ないのでは」と言及した。リチャードらの若手選手の台頭がリーグV奪回へ必要不可欠と読んでいる。

西武は“山賊打線”の復活が鍵を握ると読む。昨季不振に苦しんだ山川穂高、外崎修汰の復活はもちろん、「若林楽人がいつ戻ってこれるか」。昨季40試合で22盗塁をマークした俊足の早期復帰が待たれるところだ。先発投手ではドラフト1位・隅田知一郎(西日本工大)が存在感を発揮。野口氏は「他の新人とは違う気がしている」とした。オフに右足首を手術した平良海馬が「いつ戻ってくるか」もポイントとなりそうだ。

新庄剛志監督率いる日本ハムは最下位と予想した。オープン戦では万波中正が5本塁打、11打点。多くの若手が連日アピールした。だが、「若い選手は期待できても計算はできない。オープン戦で徹底的に分析される」。1年間プレーした主力選手は近藤健介のみ。選手層の薄さがペナントレースに響くと見ている。

それでも、今季のパ・リーグは「読めない」と野口氏は言う。「大型連勝ができれば抜ける。交流戦で抜けるチームが出てくるのはないでしょうか」。覇権争いは大混戦となりそうだ。

【予想順位一覧】新庄ビッグボスの日本ハムは最下位…野口寿浩氏が予想したパ・リーグの順位

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(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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