カージナルス・モリーナがキャンプ合流 現役ラストイヤーがスタート

ジャック・フラハティとアレックス・レイエスの開幕出遅れが決まるなど、暗いニュースが続いていたカージナルスに頼れる男が戻ってきた。故郷プエルトリコでの個人的な事情によりキャンプ合流が遅れていたヤディアー・モリーナが日本時間3月22日、ようやくチームに合流したのだ。オリバー・マーモル監督がミーティングを開始してからまもなく、カージナルスの選手たちは大歓声でモリーナを迎えた。今季限りでの現役引退を表明している名捕手の現役ラストイヤーがいよいよ幕を開ける。

モリーナは「この数カ月は大変だったけれど、今はすべてが上手くいっているし、戻ってこられて嬉しいよ」とコメント。カージナルスの一員として迎える19度目、そして最後のスプリング・トレーニングは1週間遅れでの合流となったが、「今、ここにいることができて嬉しい。何と言えばいいんだろうね。これが最後のスプリング・トレーニングだということはわかっているし、楽しもうと思っている。一生懸命に働いて、チームの勝利に貢献できるよう頑張るよ」と現役ラストイヤーへの意気込みを口にした。

そんなモリーナを頼りにしているのが35歳のメジャー最年少監督・マーモルだ。マーモルがモリーナと初めて会ったのは、まだマーモルが現役のマイナーリーガーだったとき。モリーナの仕事ぶり、野球に取り組む真剣な姿勢、そしてプロ意識などから「カージナル・ウェイを体現している存在だ」と感じたという。「彼の顔を見ることができてよかった。ユニフォーム姿を見ることができてよかった。彼は我々のチームの文化の非常に大きな部分を占めている。彼がドアを通ってグラウンドに出てくることには大きな意味があるんだ」とモリーナの存在の大きさを強調した。

1つの球団で2000試合以上に出場した捕手はメジャー史上唯一。この記録だけでもモリーナの偉大さは十分に伝わるだろう。ワールドシリーズ制覇2度、リーグ優勝4度、ゴールドグラブ賞9度、プラチナグラブ賞4度といった輝かしい実績を誇り、今季はアダム・ウェインライトとのバッテリーでのメジャー記録更新が期待されている。開幕まで3週間を切っているが、経験豊富なモリーナにとって準備期間の短さはそれほど大きな問題にはならないはずだ。「しっかりトレーニングを積んできたから、あと4~5日もすれば試合に出られると思う。十分な打席数を得るのは難しいだろうけれど、しっかり準備していきたい」とモリーナ。18年連続18度目の開幕マスクに向けて、最後のキャンプがスタートした。

© MLB Advanced Media, LP.