大学生右腕ベン・ジョイスが衝撃の104マイル MLB公式サイトも注目

テネシー大学の3年生右腕、ベン・ジョイスが大きな注目を集めている。メジャーリーグでは2019年のジョーダン・ヒックス(カージナルス)を最後に記録されていない104マイルのファストボールを投げたのだ。「ピッチング・ニンジャ」として知られるロブ・フリードマン氏は、ジョイスが102マイル、103マイル、104マイルの速球、91マイルのチェンジアップ、最後に102マイルの速球で相手打者を空振り三振に仕留める動画をツイッターに投稿。この動画は50万回以上再生されている。

大学球界屈指の速球派投手として驚異的なピッチングを続けるジョイスにメジャーリーグ公式サイトも注目。デービッド・アドラー記者は「ベン・ジョイスは球界全体で最も速いボールを投げる投手かもしれない。しかも、彼はまだ大学生だ」と記している。ジョイスは今年2月にも104マイルを計測。すでに複数回計測しているのだから、誤計測やマグレとは言えないだろう。メジャーリーグの舞台で104マイルを計測したことのある投手は、過去にヒックスとアロルディス・チャップマン(ヤンキース)の2人だけである。

ジョイスは2020年10月にトミー・ジョン手術を受けており、大学2年生のシーズンを全休。大学3年生となった今季は、ほとんどすべての速球が100マイル超という圧巻のピッチングで、ここまで9試合に登板して6回2/3を投げ、被安打4、奪三振10、与四球2、防御率0.00をマークしている。ちなみに、ジョイスには双子の兄弟(ザック)がおり、ザックも速球派投手だっが、トミー・ジョン手術によって投手生命を絶たれてしまった。

現在は速球、チェンジアップに次ぐ球種として、80マイル台中盤のスライダー(カッター)の開発に取り組んでいるという。大学球界で長年、投手コーチを務めているフランク・アンダーソン氏は、ジョイスについて「彼は生まれたての鹿のようなもの。まだ発展途上であり、さらによくなっていくだろう」と話している。今後数カ月でさらなる成長を遂げれば、今年7月のドラフトで上位指名候補に食い込んでくる可能性もありそうだ。

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