レッドブルF1首脳「アンダーカット失敗はチームの責任」フェルスタッペンがレース中に怒り

 レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、2022年F1開幕戦バーレーンGP決勝において、シャルル・ルクレール(フェラーリ)と首位を争っていたマックス・フェルスタッペンに対し、ピットストップ後のアウトラップを慎重に行くよう指示したのは、後になって考えれば誤りだったと語った。

 ルクレールはポールポジションからレースをリード、フェルスタッペンはそれを追う展開になったが、ルクレールに追いつき、オーバーテイクするだけの速さは見られなかった。フェルスタッペンは最初のピットストップを14周目に実施、ルクレールはそれをカバーするために翌周にピットに入った。

 ルクレールはフェルスタッペンのすぐ前でコースに復帰、フェルスタッペンは果敢に仕掛けるが、首位を奪うことはできなかった。2度目のタイヤ交換もフェルスタッペンが先に30周目に入り、ルクレールは翌周にピットイン。この時は、ルクレールは余裕を持ってリードを維持した。

2022年F1第1戦バーレーンGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のバトル

 この際にフェルスタッペンがレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼに対して投げかけた激しい言葉が、レース中継中に流された。
「アウトラップでプッシュせずにトップに出られなかったのは、これで2度目だ。こんなことはもう絶対しないから」

 決勝後、マルコは、レッドブルがアウトラップでのペースを抑えるようフェルスタッペンに指示したのは間違いだったと述べた。

「すべては我々の戦略だった。つまり、マックスのミスではなく、我々のミスだ」

「マックスはアウトラップでペースを抑えるように指示された。普通のペースで走っていたら、ルクレールの前に出たはずだ。トップに立っていたら、展開は全く違っていた」

「だが、我々のタイヤデグラデーションはフェラーリと比べると信じられないほど高かった。さらにフェラーリエンジンのパワーは非常に印象的だった」

「それでも、もしマックスがルクレールの前に立っていたら、もしかしたら話は全く違っていたかもしれない」

2022年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 チーム代表クリスチャン・ホーナーは、アンダーカットへの見通しが甘かったと認める一方で、バーレーンでのレッドブルRB18はフェラーリよりタイヤに厳しく、ピットストップで前に出ても、いずれは抜かれてしまっただろうと予想している。

「バランスの問題であり、スティントの序盤でタイヤを使ってしまうと、終盤にペースが低下する」とホーナー。

「アンダーカットについて、見込み違いをしていたと思う。ただ、今日のフェラーリにはペースがあった。我々がトップのトラックポジションを獲ったとしても、彼らにオーバーテイクされただろう。今日の我々はペースが足りなかったのだ」

 いずれにしてもフェルスタッペンはチームメイトのセルジオ・ペレスとともに、マシントラブルのためにレース終盤にリタイアした。レース直後の時点でレッドブルは、2台とも燃料ポンプのトラブルが発生した可能性があると述べている。

2022年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がリタイア

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