「鎌倉殿の13人」と同じ時代の神像群 重要文化財に 神奈川・大磯町郷土資料館に展示

県指定重要文化財への指定が決まった木造男神立像(光圓美術研究所提供)

 神奈川県教育委員会は、大磯町郷土資料館に寄託されている鎌倉時代の木造神像群を県指定重要文化財(彫刻)に指定した。鎌倉時代の神像がまとまった形で残っているのは全国的にも珍しいという。

 県教委文化遺産課によると、指定されたのは同町の高来(たかく)神社が所有する「木造男神立像(だんしんりゅうぞう)」(約102センチ)や「木造女神(じょしん)立像」(約86センチ)といった10体の神像など。男神立像や女神立像は13世紀半ば頃の製作とみられ、弘安5(1282)年と銘記されている神像もある。

 2000年に同町教育委員会の調査で神輿(みこし)堂で安置されていることが判明し、04年に町指定文化財に指定。同年から20年にかけて保存のために修理され、現在は一部が展示されている。

 指定を決めた9日の県教委定例会では、教育委員がNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が話題になっていることを引き合いに「貴重な文化財を県民に広く周知してほしい」と要望していた。

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