涙目だった吉田麻也「泣いたことないし」 オーストラリア戦後の一問一答

サッカー日本代表は24日に行われたオーストラリア戦に勝利し、7大会連続のワールドカップ出場を決めた。

日本代表の主将として、また精神的支柱としてチームを牽引したDF吉田麻也の試合後の一問一答。

――予選を振り返ってどう?

まずノルマだったカタールへの切符を手にしたというのは一つ良かったです。

5連勝から6連勝に積み上げられたこと、クリーンシート(無失点)だったことも良かった。ただ僕自身もそうですしパフォーマンスはもっともっと向上できると思います。

そうはいってもこの予選を通してスケジュールが非常にタフで、その中でパフォーマンスを出さなきゃいけないという状況でなんとか予選突破を勝ち取れたのは良かったと思います。

――DAZNのインタビューの時に涙目だった。どんな想い?

試合が終わった瞬間は良かったなーって。これでとりあえず「カタールまで代表でプレーできる」と思いましたね(笑)。

――やっぱりあれ泣いてたんですか?

全然泣いてない。全然泣いてない。全く泣いてない。泣いたことない。

――ロシア大会で泣いたのは見ましたけどね。前半長友選手と吉田選手の裏を狙われたのは想定していた?

想定はしていませんでしたが流れの中で結構狙ってるなと。多分何本かそこで基点を作られたので意図的にもっと狙っていこうとなったんじゃないですかね。

前半は準備の段階が良くなかった。攻め方と攻めている時の準備のところが良くなかったがゆえに良いボールが入ってしまって基点を作られた。

後半はその準備のところでもうちょっと早く意識してボランチともうまく挟みながら修正したつもりです。

――前半はコンディションがまだ整ってないように見えた。

前半はミスが多かったので、なるべくシンプルにやろうというのを心掛けていました。

前半相手がプレスをかけてくるというのはミーティングでも言われていました。もうちょっとそこをうまく掻い潜って相手の逆を突ければ良かったなぁと。

僕自身も体が重かったと思いますし、前半はパフォーマンスも良くなかった。後半、相手が(体力的に)落ちてくるという情報は入っていたので、それを踏まえてしっかり立て直そうと頭の中を切り替えてプレーしました。

後半は相手も落ちてきて、時間が経つにつれて前に出てこないといけないという展開のなか交代した(三笘薫)選手がしっかり結果を出してくれました。

ああいうスペースがある中で薫の良さが生きたなと。でも薫だけじゃなくてそれまで皆しっかり耐えたことが勝利に繋がったなと思います。

――攻めてても点が入らない。流れ的にはちょっと嫌だった?

時間を追うごとに戦い方を少しずつ変えていかなきゃいけなくて。

前半の終わり際なんかはリスクをもうちょっと減らさないといけなかった。逆に後半は機を待たなくてはいけなくて、時間が進むにつれて再びリスクを負わないようにプレーしないといけない。

時間帯によって状況がどんどん変わっていって、やり方も変えなきゃいけないっていう中で賢く戦えたんじゃないかなと思います。

前半どっちつかずの展開の中で踏ん張ったことも大きかった。僕と長友選手の裏のところをなんとなく狙ってるなというのはあったので、そこだけしっかり対応しなきゃいけないなと思ってました。

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――キャプテンの重責を果たしたのでは?

プレッシャーから一瞬解き放たれました。今日は。試合が終わった瞬間は解き放たれましたけど、またここからカタール大会に向けての準備が始まるので。

過去を見ても、予選を戦った選手と本選を戦った選手ではガラっと変わる。また1からポジション争いが始まるし、もう予選突破が決まったので次のベトナム戦はメンバーを変えるかもしれない。

6月にはフレンドリーマッチがあります。9月にもありますけど9月は本番を想定しないといけないんで。試せるといったら実質そこの2試合しか準備期間はありません。

そこでもう一回チームで競争が始まるなあという思いです。

――三笘選手が途中出場から2ゴール。若手の台頭について。

チャンスを与えられた選手が結果を出すとチームがすごく活気づきますね。

交代にしても攻め方にしてもプラン通りだったと思います。(森保)監督も意図的にスペースができてるところに薫を入れた。薫の良さはやっぱりそういうところに出るかなと思います。

薫は薫でまた90分こういうのを続けられるようにならないといけない。それが(スタメンで)出てる選手にもプレッシャーを与えるだろうし。

さっきも言いましたけど、ここから本大会で出場する選手ってガラッと変わると思うんですよね。ロシアの時も最後の一戦で本当にガラっとメンバーが変わった。

だから最後まで戦いが続くし、良いコンディションで良い結果を出している選手が本戦に出ると思います。この緊張感、この競争力を維持しながら11月まで進んでいかなければいけないなと思います。

――予選で一番厳しかった時期とそれを乗り越えるために森保監督は何をした?

やっぱりサウジ(アラビア)戦に負けた時と、その後オーストラリアに勝たなきゃいけないって状況になった時がチームとしては一番苦しかったです。

ある程度始まる前からこの試合が難しくなるだろうなというのは分かってましたが、元を辿るとオマーンに負けたことが尾を引いてしまったなと。あそこで躓いてなければ、仮にサウジに負けてたとしてもそんなに追い込まれた状況にはならなかったんじゃないかなと思います。

試合前にも話しましたけど自分たちが蒔いた種であって、それを取り返すために追い込まれた状況になってみんなが必死に戦った。それが5連勝6連勝に繋がった。

森保さんがその4戦目の時「いつでも辞める、退く覚悟ができている」と僕らの前で話されたんです。その覚悟が選手に伝わったんじゃないかと思います。

――森保監督になって4年。良い循環でいる。チームの強みは?

強みは後ろが安定していることと前線にいろんなパターンの選手がいるっていうことじゃないですかね。

(南野)拓実と薫のタイプも全然違うし、控えには(久保)タケとかもいる。タケと純也も全然タイプが違うし。

いろんなシチュエーションに合わせてメンバーを入れ替えられるし、入れ替えてもそんなにレベルがガクっと落ちたりはしない。むしろ同じくらいの選手たちが揃ってるというのは強みなんじゃないかとは思います。

これからはそれをもっとブラッシュアップして高いレベルにしていかないといけない。

選手各々が高いレベルでプレーして、インターナショナルのレベルに慣れる。そういうインテンシティが日常になって、ワールドカップのようなかなりの緊張感やプレッシャーがある中でも同じようなパフォーマンスを出せるような場慣れをすること。

そしてここからの半年試合に出続ける、コンディションを維持するのがすごく大事なことだと思います。

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