スマホで町歩き、多様な旅を ゼンリンが観光型MaaSアプリ 長崎で実証実験開始

長崎港に花火を打ち上げ、STLOCALの提供開始を祝ったセレモニー=長崎市松が枝町、長崎港松が枝国際ターミナルビル

 地図大手ゼンリン(北九州市)は、長崎市を対象にした観光型MaaSアプリ「STLOCAL(ストローカル)」の実証実験を開始した。市内の観光情報ウェブサイトと電子チケット購入などができるアプリが連携し、スマートフォンで多様な旅をサポートする。実証実験は9月末まで。
 同社は2020年4月、同市内に研究拠点を開設し、昨年7月には同市と包括連携協定を締結。同社が所有する地図情報と移動情報を活用し、地域課題の解決を目指す「マイクロMaaS」の一環として、今回の実証実験に着手。ストローカルとは、道や散歩などを意味する英語の頭文字「St」と「local(地域)」を合わせた。
 スマートフォンにアプリをダウンロードすると、同社が開発した観光情報ウェブサイト「STLOCAL」の閲覧をはじめ、目的地までの経路の検索、公共交通機関や観光施設の電子チケットの予約、購入ができる。ウェブサイトは市内を15エリアに分けて、市民の目線で定番スポットや隠れた名所を紹介。移動に伴いポイントがたまり、オリジナルグッズと交換できる。同社はアプリ利用者の移動情報などを分析し、新しい長崎の楽しみ方を提案する方針。
 23日、市内であったスターティングセレモニーには関係者約100人が出席。市は観光型MaaSアプリ「STLOCAL」を「長崎創生プロジェクト事業」第71号に認定し、田上富久市長が髙山善司社長に認定書を手渡した。この後、稲佐山の電波塔が「STLOCAL」のイメージカラーの緑に点灯し、長崎港に花火が打ち上げられた。
 髙山社長は取材に対し「長崎市を皮切りに、年内にも佐世保市での実証実験に向けて準備している。全国で地域を元気づける仕組みを目指している」と話した。

観光型MaaSアプリ「STLOCAL」の画面。交通チケットや観光施設の入場券などが入手できる

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