「粘着物質」の最新ガイドライン発表 今季も厳しくチェックへ

日本時間3月26日、メジャーリーグ機構は各球団に資料を配布し、2022年シーズンも投手による異物使用についてのルールを厳密に運用していくことを通達した。投手はグラブ、帽子、ベルトのチェックだけでなく、試合中のランダムなタイミングで指や手の検査も受けることになるという。メジャーリーグ機構のマイケル・ヒル氏は「(異物使用の検査は)三振が減ってインプレーが増え、試合中のアクションが増加するなど、明らかにポジティブな効果があった」と異物使用チェックの成果について語った。

昨年、メジャーリーグ機構はルールを厳密に運用していくことを各球団に通達したものの、スタットキャストなどのデータを分析する限り、投手の行動にはほとんど影響を与えなかった。メジャーリーグ機構が予想していた以上に「粘着物質」の使用が広まっていたことから、6月下旬には審判員に対して試合中に定期的なチェックを行うように指示。その結果、当初はボールの回転数が低下するなどの効果が見られたものの、シーズン終盤には選手が定期的なチェックに慣れたのか、再び回転数が上昇したとのデータもあった。

これを踏まえ、今季はグラブ、帽子、ベルトに加えて指や手とチェック対象の範囲を広げ、よりランダムで予測できないタイミングでの検査が行われる予定になっている。先発投手は1試合につき1回以上、リリーフ投手は登板時やイニング終了時にチェックを受けることになるが、試合の遅延を避けるために、「ランダムなタイミング」とは言いつつも、基本的にはイニング間や投手交代時に検査が行われることになりそうだ。また、投手の手や指に付着しているものが異物にあたるかどうかの判断は、審判員の裁量で行われるという。

昨季は試合中の検査が開始された直後の6月下旬にマリナーズのヘクター・サンティアゴ、8月中旬にはダイヤモンドバックスのケイレブ・スミスが異物使用で退場処分を受け、10試合の出場停止処分を科された。すでに出場停止処分を受けたことのある投手に再び異物使用が発覚した場合、より厳しい罰則が適用されるようだ。さらに、クラブハウスや通路、ダグアウトやブルペンなど、球場内の各場所で異物が発見された場合、チームとしてその責任を負うことになる。

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