しぐさや表情から「砂漠の天使」といわれる野生のネコ「スナネコ」。昨年12月、九州で初めて飼育を始めた長崎バイオパーク(長崎県西海市西彼町)では、雌雄のペアが金網越しに「お見合い」をしている。
スナネコはアフリカ北部や中東などの砂漠に生息。体長約40センチとネコ科では最小の部類。だが、牙や爪が鋭く、人に懐かないためペットには不向きとされる。
2匹は雄のマフと雌のハディーヤでいずれも1歳。それぞれ別室で暮らす。壁には高さ50センチ、幅30センチの金網で仕切られたのぞき窓が設けられ、先月13日から「お見合い」が始まった。
マフは「アヴ、アヴ、アヴ」と低い声で鳴き、存在をアピール。隣室をのぞき込む。一方のハディーヤはマフのことが気になっている様子だが、「まだ積極的でない」と伊藤雅男園長は分析する。
飼育開始から3カ月。伊藤園長は「かわいらしさの中に、過酷な環境を生き抜く野性味が感じられる」とペットのネコにはないスナネコの魅力を語り、2世の誕生に期待を寄せていた。