大城さん、伊東さん優秀賞 国際協力中高生エッセイコン 

 国際協力機構(JICA)の「国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」で、宮崎市・宮崎西高1年の大城冴和(さわ)さん(16)、宮崎大付属中3年の伊東万葉(まは)さん(15)が優秀賞に輝いた。コンテスト事務局によると、優秀賞以上に県内中高生が選ばれたのは、記録が残る2010年度以降で初めてという。
 本年度は「私たちと地球の新しい未来」をテーマに中学生の部に2万3170点、高校生の部に2万5215点の応募があり、それぞれ最優秀賞3点、優秀賞3点、審査員特別賞4点などを選出した。
 大城さんは小学1年から始めた、カンボジアの母国語のシールを日本の絵本に貼ってカンボジアに届ける活動をつづった。両親から活動の意味、同国の内戦や識字率が低いことなどを教わり、「絵本は互いの心をつなぐ懸け橋になる」と記し、「思いやりの心は世界をつなぐ」などとまとめた。
 伊東さんが題材にしたのは適正価格で販売される「フェアトレードチョコレート」。原料生産に関わる途上国の子どもは貧困の問題を抱え、それを改善する取り組みであることに触れ、「安いことの裏側で搾取されている人がいる」「消費に対してもっと関心と責任を持つべきだ」などと訴えた。
 大城さんは「受賞を機に活動の良さを再認識できた。これからも活動を続けて視野を広げ、いつかカンボジアに行き、送った絵本に出合いたい」、伊東さんは「多くの人にフェアトレードや現状を知ってもらいたかった。途上国の人に寄り添う医療関係者になるのが夢で、思いは強くなった」と話していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社