西武・森友哉「先輩後輩をなくしたい」 新人2人がローテ入り…芽生えるリーダーの自覚

西武・森友哉【写真:荒川祐史】

2019年MVP森友哉もプロ9年目「厳しく言わないといけない時は厳しく」

西武の森友哉捕手はFull-Count編集部のインタビューに応じ、プロ9年目にかける思いを打ち明けた。フルスイングを持ち味としていた打撃スタイルの変化を明かし、アメとムチを使い分けて若手投手を引っ張っていく考えを示した。

森といえば体をのけぞるほどのフルスイング。だが、そのスイングも2022年は「意識」の変化が出てきたようだ。

「今年のテーマは振り過ぎないことです。甘い球をミスショットするのが自分にとっては一番痛いこと。失投をしっかり一発で捉えることを意識してやっています」

ふとした時がきっかけとなった。9日の横浜とのオープン戦(横浜)を終えて打率.176。リーグ2位の打率.309を記録した打棒を発揮できていなかった。「なんで打たれへんかったんやろう」。打撃を見直す中で「振り過ぎ」との考えに至ったという。

「やっぱり率を残したいので。ちょっと振り過ぎないようにやってみようと思ったのがきっかけですね。割とマシにはなってきました。100%じゃないですけど。そもそも本塁打を打てる打者ではないので。しっかりコンタクト率を上げるというか、ずっと3割を残したいというのはあります」

2018年から正捕手となり、今季は入団9年目。森より年下の投手が増えた。特に今年は隅田、佐藤と新人左腕コンビが開幕ローテ入りした。「色々と経験させてもらいましたし、若い投手がいっぱいいる。自分が引っ張らないといけない」。チーム防御率3.94はリーグ最下位。若い投手陣を森らしく引っ張っていくつもりだ。

西武・森友哉【写真:小谷真弥】

「振り返る必要はないですね」 昨季リーグ最下位から巻き返しへ

「色々と経験させてもらいましたし、自分が引っ張らないといけないと思います。厳しく言わないといけない時は厳しく言いますし、ここは優しく言った方がいいのかなという時は優しくします。野球をやっている以上、先輩・後輩というのは個人的にはなくしたくて。同じ目線でしっかり話せるように、というのは意識しています」

「マウンドの立ち姿や気持ちが入っていない投手には厳しくいきます。やっぱり投手がボールを持っていますし、野手やファンみんなが投手を見る。そこで立ち姿や投げる姿勢が良くなれば、それは厳しく言います。強く」

チームは昨季42年ぶりの最下位に沈んだ。「捕手は勝って評価されるポジション。自分がいっぱい打っても試合に負ければ悔しい」という森にとっては、屈辱まみれのシーズンとなった。

「振り返る必要はないですね。去年は去年で終わってしまったので。前だけ見て、勝ちにいけるようにやっていきたいなと思います。バッテリーで勝てた試合を増やしていこうという話をずっとしています。なんとか粘り強くやっていきたい」

27日のオリックス戦(ベルーナドーム)では8回に逆転2点二塁打。開幕カード勝ち越しへ導いた。29日から日本ハム3連戦(札幌ドーム)。勢いをつけていく。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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