「いちご王国」認知度倍増 栃木県のキャッチフレーズ “最下位”でテレビ局注目

「いちご王国・栃木」の認知度

 イチゴ生産量日本一の本県が掲げるキャッチフレーズ「いちご王国・栃木」の認知度が2021年度、関東圏で69.9%となったことが30日、県農政部のまとめで分かった。テレビなどによる情報発信が奏功し、前年度から倍以上に伸びた。目標としていた25年度の認知度50%を前倒しで達成し、県は今後、イチゴを契機とした来県促進に傾注する。

 イチゴ生産量が50年連続日本1位となった翌年の18年、県は「いちご王国」を宣言。各種プロモーションで活用するなど、キャッチフレーズの浸透に力を入れてきた。一方、認知度は伸び悩み、初年度の18年度は15.6%、19年度は28.1%、20年度は29.2%にとどまった。

 21度調査は10~11月、インターネットで実施し、全国から5635人が回答した。関東圏の認知度は、前年度より40.7ポイント伸びた。関西圏でも26.5ポイント増の38.6%、県内は34.7ポイント増の97.2%に、それぞれ躍進した。

 「いちご王国・栃木」を知った媒体としては、テレビが72.7%でトップだった。20~60代の全世代で60~70%台を記録した。次いでイベント21.7%、新聞13.3%と続いた。会員制交流サイト(SNS)は5.7%で、20代を除くと低調だった。

 同部によると、民間の魅力度ランキングで最下位になったことに伴い始まった、プロジェクト「47(そこ)から始まる栃木県」は、多くのテレビ局の注目を集めた。イチゴについても、全国ネットの高視聴率番組で取り上げられた。同部は「(コロナ禍による)巣ごもりでテレビを見る機会も多かったのではないか」と分析している。

 一方、購入経験のある品種の調査では、新たな普及品種「とちあいか」が8.1%と苦戦した。

 県農政部は、観光イチゴ園や民間スイーツなどの資源を生かし、イチゴをきっかけとした来県や購入機会の拡大にさらに力を入れる。

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