神奈川県、無花粉ヒノキを品種登録 全国初「根本的な花粉症対策に」

県が品種登録した無花粉ヒノキ「神奈川無花粉ヒ1号」の苗(県自然環境保全センター提供)

 神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)は、同センターが発見した無花粉ヒノキが3月15日付で「神奈川無花粉ヒ1号」として農林水産省に品種登録された、と発表した。無花粉ヒノキの品種登録は全国初。

 同センターによると、この花粉を飛ばさない個体は2012年春に秦野市内で発見。花粉を飛散せず種子も形成しないが、挿し木で増やすことが可能。18年に品種登録を出願していた。

 県内の苗木生産者組織の県山林種苗協同組合と契約して19年5月から、240本を配って苗木の生産を開始。21年春に愛称を「丹沢 森のミライ」と名付け、同年7月に秦野市寺山に132本を植えた。

 県では27年までに花粉症対策苗木(少花粉と無花粉のスギ、ヒノキ)の年間生産目標を15万本と設定しており、このうち1割を無花粉のスギ、ヒノキにすることを目指している。同センターでは「無花粉ヒノキを安定的に生産し、根本的な花粉症対策にしていきたい」としている。

© 株式会社神奈川新聞社