長崎県内の陸上実業団チームに、今年も期待の新戦力が加わった。男子の三菱重工には大卒2人とケニア人ランナー1人が入部した。
全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の上位常連となった三菱重工は、東京五輪のマラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」に出場した岩田勇治(34)と木滑良(31)が引退。エノック・オムワンバ(29)もコーチ兼任となるため、3人を補充した。
島原市出身の近藤亮太(22)は、今年の箱根駅伝2位の順大で復路アンカーを務めた。島原高時代は全国大会出場の経験がなかったが、大学でトップ選手から刺激を受けて成長。念願だった地元実業団入りを果たした。「応援してくれている人がたくさんいる中で走れるし、チームにも勢いがある。ワクワクしている」。堅実な走りでまずは駅伝メンバー入りをアピールし、将来的にはマラソン挑戦を目標に掲げている。
もう1人の大卒ルーキー松倉唯斗(22)は山梨学院大の主将を務め、昨秋の箱根駅伝予選会は終盤まで日本人先頭争いに加わった。直前の故障で本大会に出場できず、5000メートルの自己記録も大学2年時に記録した14分10秒53にとどまっているが、バネがある走りは魅力。黒木純監督も「未完の大器。日の丸を狙える」と高く評価している。自他ともに認める明るい性格で、ムードづくりも買って出るつもりだ。
ケニアから新たに呼び寄せたキプラガット・エマヌエル・コリル(19)は即戦力級の逸材。ニューイヤー駅伝で「外国人枠」となっている2区(8.3キロ)は現在、クレオファス・カンディエ(21)に任せているが「カンディエをしのぐ実力を持っている可能性がある」という声も。再注目の新戦力は「チームの力になりたい」と意欲を見せる。