全国高校選抜大会 ソフトボール男子 大村工4強

【ソフトボール男子準々決勝、飛龍―大村工】5回裏大村工1死満塁、上野が中越え満塁本塁打を放つ=岐阜県各務原市総合運動公園ソフトボール場

 全国高校選抜大会は28日、各地で9競技が行われ、長崎県勢はソフトボール男子の大村工が3回戦で新見(岡山)を2-0、準々決勝で飛龍(静岡)を4-1で倒して4強入り。
 29日は各地で5競技を実施する。

◎大村工、日本一へ大きく前進

 ソフトボール男子の大村工が厳しい1日2試合を乗り越えた。昨夏のインターハイ決勝でも対戦した新見(岡山)との3回戦、同じく全国常連の飛龍(静岡)との準々決勝で競り勝って4強入り。代替わりを挟む“夏春”日本一の快挙に向けて弾みをつけた。
 昨季からスタメン8人が入れ替わった中、3回戦は前チームの主力が多数残る新見を昨夏と同じ2-0で撃破。息詰まる投手戦の中、唯一得点圏に進めた三回2死二、三塁で山本が右中間へ2点三塁打を放った。最終回は1死一、二塁のピンチを招き、タイムを取って深呼吸。コロナ禍で実戦経験が少ないことを感じさせない落ち着きで相手の反撃ムードを断った。
 準々決勝は0-0の五回2死満塁から、主将の上野が中越えにグランドスラム。2ストライク後、たたきつける作戦から切り替えたが「自信を持ってスイングできた」。守備でも力投を続けるエース遠藤を捕手として好リード。2、3回戦の連続完封をはじめ、4試合計2失点の堅い守りを引っ張っている。
 2006年の初出場から、この日で春の全国チーム通算60勝(11、20年は中止)も達成。大会史上最多7度の優勝記録を持つ絶対王者は、さまざまな制限が続く中でも、ぶれない強さを見せつけている。夏を取った昨年の春は8強。2大会ぶりのV奪回へ、上野は「最後まで絶対に隙を見せない。全員で日本一をつかみ取る」と力強く言い切った。

◎瞬発力生かし攻守けん引 1番遊撃 松尾

【ソフトボール男子準々決勝、飛龍―大村工】7回表飛龍無死、三遊間の強烈な当たりを捕球する大村工の遊撃松尾=岐阜県各務原市総合運動公園ソフトボール場

 大村工の1番で遊撃手の松尾が、抜群の瞬発力を生かして攻守をけん引。打っては2番村江とともに全試合先制点に絡み、守っては好プレーを連発してチームを救っている。
 この日も3回戦で2安打を放つと、準々決勝は守備範囲の広さを見せつけた。特に会場が沸いたのは初回と七回、いずれも三遊間の安打性のゴロに追いついて一塁で捕殺した場面。初回は先制されるピンチ、七回は無死からで強烈な打球だっただけに、相手の飛龍(静岡)の応援席からは「あれは大村工のショートをほめるしかない」という声が漏れた。
 持ち味を存分に発揮している2年生は「いつもよりも朝からすっきりして調子が良かった。ピッチャーが頑張ってくれていたので助けたかった。このまま気を抜かず、目の前の一つ一つに集中する」と日本一へ気合を入れ直していた。


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