築68年 思い出の校舎に別れ 長崎市立西浦上小 卒業生らが写真撮影

校舎と一緒に記念写真に納まる卒業生ら=長崎市立西浦上小

 1954年に供用開始され、68年間地域の人たちに親しまれてきた長崎市立西浦上小(同市大手1丁目)の現校舎が、老朽化のため解体される。同校育友会などは3日、一般に開放し、卒業生らが教室の写真を撮るなどして学びやに別れを告げた。
 市などによると、校舎は年度内に解体工事に着手。新校舎は2025年度に供用開始予定で、その間は敷地内の仮校舎で授業する。
 一般開放では、教室内に同校の歴史を物語る資料を展示。黒板に張られた寄せ書き用の模造紙には「たくさんの思い出をありがとう」「廊下のギシギシが懐かしい」などと、訪れた人がメッセージを寄せた。廊下や階段、校庭などで記念撮影をする人の姿も見られた。

訪れた人は教室内に張られた模造紙に寄せ書きをした

 3月まで同校校長だった麻生毅さん(60)も、約50年前の卒業生。「(当時は入ることができた)屋上でドッジボールをして遊んだ」と振り返った。4年前に校長として赴任。この校舎で最後まで働きたいという願いがかなったという。
 この春定年退職した麻生さんは、現校舎に「おつかれさま、ありがとう。ぼろぼろになる直前までよく頑張ってくれた」とねぎらいの言葉。新校舎には「しっかり子どもたちを守り育むよう、伝統ある西浦上の器として頑張ってほしい」とエールを送った。


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