エド・サリバン・ショー公式YouTubeでトム・ジョーンズの貴重な映像が公開

Tom Jones - Photo: Ivan Keeman/Redferns

米CBSのプライムタイムで23年間放送された歴史的バラエティ番組「エド・サリバン・ショー / The Ed Sullivan Show」の公式YouTubeチャンネルで、1968年4月21日に放送されたトム・ジョーンズ(Tom Jones)の貴重なパフォーマンス映像が公開された。

同映像の中で、ウェールズ出身のスターは、自身の代表曲 「It’s Not Unusual」に続いて、アイルランド民謡として知られる「Danny Boy」をカントリー調のアレンジで熱唱し、最後に再び自身のヒット・ソング「Delilah」を披露している。

<YouTube:Tom Jones "Medley: It’s Not Unusual, Danny Boy & Delilah" on The Ed Sullivan Show>

タキシードに蝶ネクタイを着用したトム・ジョーンズの背後には、ホーン、ストリングス、ナッシュビル・スタイルのピアノをフィーチャーした大編成のオーケストラの姿も見え隠れしている。エド・サリバン・ショー出演当時、28歳だったトム・ジョーンズは、これまでに650回以上カヴァーされてきた「Danny Boy」の自身のヴァージョンを、1967年12月にリリースしたアルバム『13 Smash Hits』のために録音した。

番組の放送当時、「Danny Boy」は誕生から50年以上も経っており、1910年にフレッド・ウェザリーが作詞・作曲したこの歌の原曲は、発表当時ほとんど反響がなかった。しかし、その数年後に彼の義姉から送られてきた「Londonderry Air」という曲のメロディーが彼の歌詞にぴったりで、1913年にその曲に彼の歌詞を組み合わせた新たなヴァージョンが発表されたのだ。

トム・ジョーンズは、このカヴァーの約2年前となる1965年2月にデッカ・レコードから2枚目のシングル「It’s Not Unusual」をリリース。発売初週にチャート入りした同曲は、その1ヶ月後の1965年3月13日に全英1位に輝き、聴衆を驚かせた。

この曲がチャートを席巻していた頃、とあるインタビューに応じたトムは、当時アイドル的人気を誇っていたP.J.プロビーを真似ているのか、という質問に対して、はっきりとこう答えている。

「僕は僕です。世間で言われているような現代的なセックス・シンボルになろうとしたことは一度もない」

この発言からもわかるように、音楽的にトム・ジョーンズは、当時の流行りと相反する存在として見られがちなのだが、実際は、常に彼の作品に完全に共鳴するファンを味方につけていたのだ。

Written By Sam Armstrong

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