川崎の独身女性 非正規の7割「家計苦しい」 年収300万円未満が大半 コロナ禍で生活厳しく

調査結果を報告する(左から)寺村教授と永井准教授=川崎市高津区の市男女共同参画センター

 新型コロナウイルスの暮らしへの影響を調べるため川崎市男女共同参画センター(すくらむ21)が実施した市内の独身女性に対するアンケートによると、家計が「苦しい」と答えたのが正規雇用は約5割だったのに対し、非正規雇用は約7割に上った。非正規の年収は300万円未満が7割を超え、100万円未満の人も約3割いるなど、コロナ禍の厳しい生活実態が明らかになった。

 調査によると、2020年の年収が300万円未満は正規が23.0%だった一方、非正規は72.5%に上った。内訳は、200万円以上300万円未満が23.5%、100万円以上200万円未満が22.2%、100万円未満が26.8%だった。

 収入の変化(感染拡大前と、最も大変だった時期の比較)については、「収入がなくなった」が13.1%いた。「半分以下」が22.2%、「半分」が16.2%だった。

 こうした生活苦は心身の変化にも影響し、「気持ちが落ち込んだ」が44.1%に上り、「死んでしまいたいと思うことがあった」としたのは8人に1人以上に当たる12.1%に及んだ。

 同センターは3月16日に調査報告会を開催。日本女子大学人間社会学部の永井暁子准教授は「支援情報が分かりにくい中、非正規の女性は支援を必要とする状況に置かれる。市だけでなく、国も含めた支援が必要」とした。

© 株式会社神奈川新聞社