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今月3日、中区本通で発生したビル火災。その煙のすさまじさが印象的でした。
当時現場のビルにいた人が語った『煙』の恐ろしさ。記者も体験してきました。
Casual Kitchen Kakurego 末田豊店長「まさか自分らがこんなことになるとは思わなかったですね」
そう振り返るのは火事があったビルの4階の飲食店で働いていた末田さん。
現場となったのは飲食店のほか美容院など複数の店舗が入る6階建てのビル。
建物にいた人たちを炎以上に脅かしたのは『煙』でした。
末田店長「ここでテイクアウトの調理をしていて、火災報知器が鳴って煙が店内のあちこちから入ってきていたので」
飲食店が入るビルのためこれまでも調理の煙で火災報知器が作動したことがあったということですが
末田店長「今回はベルが止まらなかったのと、煙の量が異常だったのと黒い煙が…」
当時店内にいた2人のスタッフとともにすぐ階段に向かいました。
末田店長「煙は上の方に来ていたので、下の方は比較的来ていなかったので口を塞ぎながらしゃがみながらという感じで(避難した)」
「逃げるタイミングがもう少し遅かったらと思いますね」
まさに「九死に一生を得た」避難でした。
広島市消防局によりますと、過去5年間火事で死亡した人の中で約6割は煙が原因とされています。
その煙の恐ろしさを記者が体験してきました。
斉藤俊幸記者「この先は火災を想定してすでに煙が充満している状態だということなので、出口を目指して避難をしてみます」
「煙が充満していて1m先どころか自分の足元を確認するので精一杯です」
「先がわからないので1歩1歩進むだけでもかなり恐怖心があります」
煙に包まれる恐怖心から今回、非常口まで通常の3倍以上の時間がかかりました。
斉藤記者「先が見えない状況で煙を吸い込んではいけないので、この状態で冷静に避難するのは非常に難しい」
では、いざという時どのように避難すればいいのか。ポイントは”姿勢”だそうです。
広島市総合防災センター 齊藤孝治さん「(煙は)まず上から溜まっていきますので、まず姿勢を低くします。方向を見失う可能性がありますので手を壁に沿えて進んでください。もしハンカチなどがあれば口にあてていただいて前へと進んでいきます」
低い姿勢をとることで煙が薄くなり非常口までの避難がよりしやすくなるということです。
4月は1年間の中でも火事の多い時期。
いざという時の『煙』について知っておくことも大切かもしれません。
広島市総合防災センター 齊藤孝治さん「自動火災報知器がなったらいち早く避難してください。あとはその建物の避難ルートをよく知っておいていただくことが重要です」