2児の母、夢の助産師へ一歩 看護学校入学「出産、育児に寄り添える人に」

助産師を目指す増﨑めぐみさん=諫早市永昌町、県央看護学校

 長崎県諫早市永昌町の県央看護学校専門課程にこの春、2児の母で元カフェ店長、そして現在は准看護師を務める女性が、助産師を目指して入学した。10年以上前、自身が長男を出産した時、親身に寄り添いサポートしてくれた助産師に心を動かされたのがきっかけだ。
 大村市在住の増﨑めぐみさん(35)。現在、准看護師として国立病院機構長崎医療センター(大村市)で看護助手を務める。中学1年の長男、小学5年の長女の2人の子どもの母。
 助産師への夢はずっと心に秘めていた。23歳で長男を出産。その際、担当の助産師が親身に寄り添いサポートしてくれた。
 「まるで予言者のように『次のいきみは長いからね』と教えてくれたり、育児や母乳、マタニティーブルーの相談なども気軽に応じてくれて、安心して出産に臨むことができた。子育てが一段落したら、こんな助産師に自分もなりたい、と思った」
 助産師の国家資格を得るには、まず看護師資格が必要になる。増﨑さんは子育てと並行し、同市内でカフェの店長をしながら、助産師を目指して猛勉強。2年前、同校高等課程に合格した。新型コロナ禍でオンライン授業が中心だったが「先生たちの指導や対応がとても良く、充実の2年間だった」と振り返る。
 家庭と仕事、学業を両立させながら奮闘する日々。子どもたちも風呂掃除を積極的に手伝うなど、全面的に協力してくれた。努力が実り、3月、准看護師資格を取得。4月からは正看護師を目指し、3年間の専門課程で学ぶ。同級生の中には、店長を務めていたカフェの常連客だった高校生の姿も。今では同じ目標に向かって切磋琢磨(せっさたくま)する仲間だ。
 夢に向かって歩みを進める増﨑さん。「患者の気持ちに寄り添って臨機応変に対応できる看護師、助産師を目指し、妊婦が安心して受診・出産できる環境を整えていきたい」と熱意を見せた。


© 株式会社長崎新聞社