拉致問題解決「日朝首脳会談しかない」 松野担当相が見解

 11日の衆院拉致問題特別委員会で立憲民主党の太栄志氏(神奈川13区)と国民民主党の鈴木敦氏(比例南関東)が質問に立った。担当大臣を兼務する松野博一官房長官は問題解決のカギとして「日朝首脳会談を行うしかない」との見解を示した。

 岸田文雄首相は前任の菅義偉氏(2区)の意向を引き継ぎ「北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記と条件を付けずに向き合う用意がある」と明らかにしてきたものの、太氏は「歴代総理から発言がある一方で、ここ20年の間に北朝鮮との首脳会談を行っていないのは日本だけだ」と指摘。松野長官は「被害者家族の高齢化など差し迫っているとの認識はあり、会談実現に向けてさまざま努力している」と釈明した。

 鈴木氏は、首脳会談を巡り「向き合うためには相手の顔をこちらに向けさせなければならない。策はあるのか」と質問。「ここで申し上げれば相手に手の内が伝わってしまう」と答弁を避けた林芳正外相に対し「こうした機会を使ってあえて教えるのも手です」と進言していた。

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