「FIRE」4つのタイプを解説、鉄則「4%ルール」とは?

「FIRE」と一口にいっても、いろいろなタイプがあります。目指したいタイプや、実現が可能そうな自身のライフプランに合っているタイプはどれでしょうか?

「資産運用をしよう!」という言葉をTikTokで世界一広めたとしてギネス認定された「ライオン兄さん」こと山口貴大氏(@okane_315)の著書『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集してFIREのタイプを紹介します。


FIRE4つのタイプ

投資リターン5%、貯蓄率50%でも完全リタイアまでに20年近くかかるということにびっくりした方もいらっしゃるでしょう。

20年といえば、現在25歳の人が45歳、30歳の人なら50歳になってしまいます。

「そんなに長くかかるのか……」というのが正直な感想ではないでしょうか。

でも安心してください。

というのも、もっと早く実現できるFIREのやり方があるからです。

一口にFIREといっても、いろいろな種類があるのです。FIRE達成後、一切働かないか、それとも少しは働くか、生活を切りつめるか、切りつめないか、などでタイプ分けしました。

●FIREの種類

それぞれのFIREについて解説しましょう。

(1)Fat FIRE(ファット・ファイア)

「Fat」には「太い、肥満した」という意味の他に「豊かな、肥沃な」といった意味もあります。資産収入(不労所得)のみで生活できるFIREをこう呼びます。

資産がたくさんあって、そこから得られるインカムゲインだけで十分、リッチな暮らしができる人たちです。

もちろん、FIREを目指すからには、このタイプになりたいと思いますよね。

しかし実際に、一切働かずに株主配当金や賃料収入、債券の利息などの不労所得だけで豊かな生活を送るためには、かなりの資産が必要になります。

現実的には、元々、土地や株などをたくさん持った資産家か、事業で大成功した人でもない限り、ちょっと実現は難しいかもしれません。

(2)Lean FIRE(リーン・ファイア)

このタイプも資産収入のみで生活するFIREです。Fat FIREとの違いは、日々の暮らしがリッチかそうでないか、です。

「Lean」とは、日本語訳すると「無駄がない」とか「余裕がない」という意味なので、Lean FIREとはすなわち「資産収入だけでなんとか生活できるが、生活に余裕はない」ということになります。

いわばストイックな倹約生活を送ることで、少ない資産でもなんとかやりくりしていこう、というタイプのFIREといえるでしょう。

(3) Coast FIRE(コースト・ファイア)

資産収入のみで生活できるけれども、趣味的に仕事もしていくスタイルのFIREです。社会との関わりを持ち続けたい人におすすめです。

FIREした人の中には、十分な資産があって生活に困らなくなったことで、純粋に人のために役立つことをしたいと思うようになる人が一定割合います。そういう人たちがCoast FIREを選択します。

「Coast」は「海岸、沿岸」という意味ですが、「のんびりやっていく」といったニュアンスもあります。

(4)Barista FIRE(バリスタ・ファイア=サイドFIRE)

「資産収入+労働収入」で生活するFIREです。セミリタイアと同じですね。別名「サイドFIRE」とも呼ばれます。

完全なFIREは難しくても、このスタイルなら必要な資産が少ないので実現性が高くなります。

通常、週5日働くところを週3日勤務にしたり、8時間労働を3時間労働にしたりするイメージです。

「Barista」は「コーヒーを淹れる人」の意味ですね。資産収入以外に、アメリカでいうとコーヒーチェーンのスターバックス コーヒーなどでパートタイムの仕事をして、足りない生活費をまかなう。そんなイージースタイルのFIREになります。

FIREの鉄則「4%ルール」とは?

さて、ここでFIREのルールについてお話ししたいと思います。

FIREを実現・実行するステップは、

1. 投資の〝タネ銭(資産)〟をつくる

2. 資産を運用する

3. 資産が大きくなったらリタイア

その後の生活費には資産のうち一部を取り崩して充てる

という流れになります。

重要なのが3のFIRE後の「資産の一部取り崩し」です。

どんなに巨額な資産を築けたとしても、取り崩しの額が大きければ、あっという間に底をついてしまい、FIREどころではなくなります。

では一体、毎年どれくらいを取り崩すのが安全圏なのでしょうか。

実は 「4%ルール」 という明確なルールがあります。

〈4%ルール〉

年間支出の25倍の資産を米国株インデックスで築き、年間4%ずつ売却し、その4%の売却益と配当の範囲内で生活をする

さて、ここで「米国株インデックス」 という言葉が出てきました。

米国株インデックスとは、米国の株価指数に連動して値動きする金融商品のことをいいます。

日本には「日経平均株価」 という株価指数がありますよね。それと同じように、米国株全体の値動きを示した株価指数があり、その株価指数に連動した成績を目指す投資信託やETF(上場投資信託) があります。

そういった金融商品を使って資産を運用しましょうということです。

なぜ米国株インデックスがいいかというと、長期的に年平均7%前後で成長しているからです。

米国株インデックス関連の金融商品と、米国経済が強い理由については、とりあえずここではこう覚えておいてください。

__・米国株はとにかく強い
・数々の金融危機を乗り越えて、7%前後の成長を遂げてきた
・だから資産運用は米国株式で行うのが最も効率がいい__

著者 山口 貴大(ライオン兄さん)

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