横浜市立小の卒業文集問題 児童が掲載認識せずアンケート回答 市教委「確認しなかった学校側の責任」

横浜市教育委員会

 横浜市旭区の市立小学校が製作した卒業文集に不登校児童の意図しない内容が掲載された問題で、記載事項は児童が文集に載ると認識せずに答えたアンケートの回答だったことが、市教育委員会への取材で分かった。学校側は文集への掲載を案内しないままアンケートを実施し、完成した文集も確認させていなかった。

 市教委は「アンケートを実施する際や文集が仕上がった段階で、当該児童に共有・確認しなかった学校側の責任。当該児童、編集委員の児童には何の責任もない」としている。

 問題となったのは、編集委員の児童らがクラス全員分の回答を集めて代筆するページ。教室内で話し合ってテーマを決めた後、委員がアンケートをタブレット端末で送付したり、直接聞き取ったりして回答を集めた。卒業アルバム配布後に当該児童の保護者から指摘を受けて発覚した。

 市教委によると、学校側は3月下旬に行われた市教委の聞き取りに対し、当該児童の認識のない内容や、文集に載ることを知らずに話した内容が掲載されてしまったと説明。担任は当該児童からタブレット端末で回答を受けていたことを把握していたが、校長らには報告していなかった。

 市教委は学校に対し、掲載前の確認の徹底と当該児童や保護者に寄り添った対応を求めた。その後、学校側が委員の児童に聞き取りを行ったところ、委員が当該児童から返信を受け取っていたことが判明した。

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