「近代化競争やめろ」 米核実験に抗議 平和公園で被爆者ら訴え

米国の臨界前核実験に抗議する被爆者ら=長崎市、平和公園

 バイデン米政権が昨年2回の臨界前核実験を実施したことに対し、県平和運動センターと原水爆禁止県民会議(県原水禁)は15日、長崎市松山町の平和公園で抗議の座り込みを行い、「核実験を即時停止し、核兵器の近代化競争をやめるべき」とする抗議文を採択した。
 被爆者ら約40人が参加。同センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(82)は「核軍縮や核兵器禁止条約の精神に反する。(実験をした理由について)どんな説明をしようと納得はできない」と憤った。
 核兵器の小型化が進むことで「核戦争による人類滅亡を免れるような錯覚があるかもしれないが、小は中を呼び、中は大を呼ぶ。核戦争の序章になる」と危機感をあらわにした。
 ウクライナ情勢を踏まえ抗議文は「核兵器の使用が現実味を帯びている。ロシアと並ぶ核大国の米国は、核兵器廃絶の先頭に立つべき」などと訴えた。同日、在日米大使館に郵送した。
 南島原市と日本原水爆被害者団体協議会(被団協)も同大使館に抗議文を送った。


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