新型コロナワクチン3回目接種 20、30代は3割 長崎県内

年代別3回目接種率

 全国で進められている新型コロナウイルスワクチンの3回目接種。長崎県内の10日時点の接種率は50.7%で全国より5.3ポイント高い。世代別では70~90代で85%を超えたが、20、30代は約3割にとどまる。一方、新規感染者は3月下旬から再拡大し、4月13~15日公表の新規感染者1442人のうち、30代以下は955人で66%を占める。
 3回目接種は、昨年12月に医療従事者から開始。2月からは65歳以上への接種が本格的に始まった。今月10日時点で県内の年齢別接種率は65~69歳76.9%、70代87.6%、80代86.7%、90代88.1%と高い。一方で20代は30%、30代は31.7%、40代は40.3%にとどまっている。

県内のコロナワクチン3回目接種状況

 長崎大が新入生に実施したアンケートでは回答した1660人のうち、2回目を終えていたのは1265人。ただ、3回目を希望したのは469人(37%)だった。14日の長崎大の定例会見で河野茂学長は「ほとんどの学生は感染しても症状は軽い。一方で2回目の接種後に熱が出て具合が悪くなったという印象が残っているようだ。自分のことを考えれば打ちたくないのだろうが、『社会のため、周りの人のために打って』というメッセージを出していきたい」と話した。
 新規感染者数は再拡大しているものの、病床使用率は約2割にとどまっている。県の担当者は「重症化しやすい高齢者への接種が進んだことが要因の一つ」とする。ただ、4月下旬から大型連休が始まり、さらなる感染拡大の懸念もある。医療関係者の一人は「オミクロン株は毒性は弱いとされるが、感染者が増加すると医療体制が再び逼迫(ひっぱく)し、コロナ以外の診療にも影響が出てしまう」と危惧する。
 県の担当者は「ワクチンはデメリットもあるが、本人と社会にとって大きなメリットがある。大学や短大を通じた接種呼びかけを検討したい」と話す。長崎大の研究によると、3回目接種でオミクロン株への発症予防効果は69%に上がる。


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