由加神社本宮 〜 由加山にある厄除けの総本山。金刀比羅宮との「両まいり」で知られる歴史ある神社

倉敷で神社に参拝するとき、どこの神社に参拝しますか?

阿智神社や羽黒神社など、倉敷市内には歴史ある神社が多数あります。

なかでもとくに歴史があるのが、児島地区北部・由加山(ゆがさん:瑜伽山とも表記)にある「由加神社本宮(ゆが じんじゃ ほんぐう)」。

2000年以上の歴史があり、朝廷や岡山城主・池田氏などが祈願した由緒ある神社です。

厄除け総本山として知られ、江戸時代には由加山と香川県の金刀比羅宮の両方を参拝する「両まいり」で栄えました。

現在の由加神社本宮は、岡山県下有数の参拝客数を誇る神社です。

由加神社本宮の歴史や見どころなどについて、詳しく探っていきます。

由加神社本宮とは

由加神社本宮は倉敷市児島地区の北部、標高273.1メートルの由加山にある神社です。

全国に52の分社があり、文字どおり由加神社本宮はその総本宮となります。

年間約100万人が参拝し、とくに初詣には35万人以上が訪れる、倉敷を代表する初詣スポットです。

本来、由加山とは山の名前なのですが、由加山にある神社や仏閣を指して由加山と呼んだり、一帯を総称する地名として由加山と呼ばれたりもします。

江戸時代には、歌川広重の『山海見立相撲』に、「備前瑜賀山」として由加山が描かれました。

同じく、歌川広重が全国の名所を描いた『六十余州名所図会』に、備前の名所として「備前田の口海浜 瑜賀山鳥居」が描かれています。

江戸時代に海側の由加山の参詣口が、現在の田の口だったからです。

また平成29年(2017年)には、由加神社本宮が日本遺産一輪の綿花から始まる倉敷物語 ~和と洋が織りなす繊維のまち~」の構成文化財のひとつになりました。

由加山と由加神社本宮の歴史

由加山は古い時代より、神仏習合の「瑜伽大権現(ゆが だいごんげん)」として信仰されていました。

歴史は、なんと2000年以上

はるか昔に、山中にある巨岩を御神体として信仰したものが起源とされています。

奈良時代になると、天平5年(733年)に僧侶の行基(ぎょうき)が「三密瑜伽の行(さんみつゆがのぎょう)」をおこない、瑜伽大権現を祀りました。

由加山(瑜伽山)や瑜伽大権現という呼び名は、行基が三密瑜伽の行をしたことが由来です。

やがて現在の古由加(こゆが)と呼ばれる、近くの場所に祀られていた神様を合わせ祀り、神仏習合の霊山として崇拝されるようになります。

桓武天皇の時代には朝廷の祈願所となり、以降も由加山は朝廷の祈願所として栄えました。

そのため、現在の拝殿に菊花紋章を拝受しています。

さらに奈良時代、由加山は「新熊野三山」のひとつとしても信仰されました。

新熊野三山とは、現 児島地区の以下の3か所を熊野三山(現 和歌山県南部)に見立てて信仰したものです。

  • 熊野本宮大社(田辺市本宮町) = 日本第一熊野神社と五流尊瀧院(ごりゅう そんりゅういん)(倉敷市林)
  • 熊野速玉大社(新宮市) = 諸興寺(倉敷市木見、現在は跡のみ)
  • 熊野那智大社(那智勝浦町) = 瑜伽大権現(由加山)

江戸時代になると由加山は、岡山藩主・池田氏の祈祷所となり厚く信仰されています。

また庶民のあいだでは、讃岐国(香川県)の金刀比羅宮(ことひらぐう、通称 こんぴらさん)へ参る際、船で瀬戸内海を渡る前に由加山に参拝するという「両まいり」が流行しました。

現代でも、由加山と金刀比羅宮の両まいりをおこなう参拝客もいます。

明治時代になると、神仏分離令によって由加神社本宮由加山 蓮台寺にわかれました。

由加神社本宮の御祭神

由加山会館

由加神社本宮の御祭神は、 以下のとおりです。

  • 手置帆負命(たおきほおいのみこと)
  • 彦狭知命(ひこさしりのみこと)
  • 神直日命(かむなおひのみこと)
  • 大直日命(おおなおひのみこと)

また本地仏(ほんじぶつ=神の姿をした仏・菩薩)として、以下を祀っています。

  • 阿弥陀如来(あみだにょらい)
  • 薬師如来(やくしにょらい)

手置帆負命と彦狭知命は、建築や技能を司る「匠(たくみ)」の神様です。
この二柱の神様が、由加神社本宮の主祭神になります。

神直日命・大直日命は、災難除けの神様です。

江戸時代に両まいりの風習ができたころに、旅の安全を祈願するために勧請(かんじょう=神を呼び寄せ、向かえ入れる)されました。

それ以降、由加神社本宮は災難除けから発展して厄除け祈願のために参拝する人も多くなり、「厄除け総本山」とも呼ばれるようになったのです。

由加神社本宮の見どころ

由加神社本宮には、たくさんの見どころがあります。

そのなかからピックアップして紹介しましょう。

厄除け石段

由加山の第一駐車場のところから、表参道が続いています。

参道の途中に3か所に分かれてあるのが、「厄除け石段」です。

最初の鳥居のところに「表参道厄除け石段」があります。

そして厄除け石段から約250メートル進んだところにある、両神鳥居の手前にあるのが「三十三厄除け石段」です。

続いて、両神鳥居のうしろに「六十一厄除け石段」があります。

日本一の備前焼大鳥居・備前焼獅子

由加神社本宮の境内入口には、備前焼でつくられた大きな鳥居が建っています。

明治27年(1894年)に奉納されたもので、備前焼でつくられた鳥居としては日本一の大きさです。

鳥居の両脇には、備前焼でつくられた獅子がいます。

江戸時代後期の文政12年(1829年)に、天城池田氏によって奉納されました。

獅子の台座には、天城池田氏の家紋が彫られています。

鳥居の正面の向かって左側にある獅子は、右前足を上げた状態です。

実はもともと親子の獅子で、足の下に子獅子がいました。

しかし昭和の時代に子供だけ盗難にあってしまい、現在の状態になっています。

拝殿・本殿

拝殿は参拝したときに、神様に手を合わせお祈りをするところです。

由加神社本宮の拝殿の建築様式は、代表的な権現造り(ごんげんづくり)です。

本殿は実際に神様を祀っている建物で、拝殿のうしろ側にあります。

江戸時代前期に建てられたとされており、由加山で最古の建築物です。

由加神社本宮の本殿は、岡山県重要文化財に指定されています。

拝殿の柱や天井などを見渡すとさまざまな木彫りの彫刻などがあり、とても豪華です。

拝殿の横には装飾についての説明もありますので、ぜひ参考にしながら装飾を見学してください。

また拝殿の左右から、それぞれ内部に入れるようになっています。

中に縁結びで知られる、素戔嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りしているのです。

男性は左側から中に入り、奥に祀られている縁結び獅子女獅子に参ってください。

女性は右側から入り、縁結び獅子の男獅子に参りましょう。

厄玉の儀

厄玉の儀(やくだまのぎ)は、由加神社本宮ならではのユニークな儀式です。

ご祈祷を受けたあと、神社のかたから「厄玉」を受け取りましょう。

そして、拝殿の左手前にある「厄玉の儀 納め所」へ向かってください。

納め所の手前に「厄ばし」という小さな石橋がありますので、ここを渡って納め所に向かいましょう。

厄ばしには、厄の字が無数にありました。

厄玉は「厄」の字が彫られた陶器の球で、穴が一か所空いています。

厄玉の穴に向かって息を吹きかけましょう

息とともに、厄や災いが玉の中に封じられます

そして厄や災いを封じた厄玉を、納め所に書かれた大きな「厄」の字に向け、力一杯ぶん投げるのです。

厄の字に厄玉がぶつかると同時に、厄玉が軽快な音とともに粉々に破壊されます。

こうすることによって、厄除けがおこなわれるのです。

厄玉の儀は厄除けとストレス解消が同時におこなわれるという、とてもおもしろい儀式だと思います。

タコ神様(海神)

地元・児島地区の漁師が豊漁祈願とともに、捕獲した魚介類の供養をしたいとの希望があり、平成中期に建てられました。

海の神様である大綿津見神(おおわたつみのかみ)を勧請し、祀っています。

児島の下津井地区はタコの名産地ということでタコの形をしており、大変ユニークです。

タコ神様は、拝殿の向かって左手前に鎮座しています。

天満宮、稲荷宮、磐座

拝殿の向かって左側、タコ神様の奥手に天満宮が鎮座しています。

天満宮は学問の神様である、菅原道真(すがわらのみちざね)公を祀る神社です。

本殿の左側にあたる高いところには、白い菅原道真像がありました。

そのうしろにある朱色の社は、稲荷宮です。

豊作や商売繁盛の神様である、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っています。

稲荷宮のうしろにあるのは、巨大な磐座(いわくら)です。

磐座は神霊が寄りつく岩のことで、古い自然信仰に由来するともいわれています。

消痛の小槌

消痛の小鎚(しょうつうのこづち)は、不思議な力があるといわれる鎚です。

消痛の小槌で、体の痛い部分や調子の悪い部分をさすると、痛みが消えるといわれています。

消痛の小鎚があるのは、拝殿に向かって右手前にある授与所の、向かって左端です。

小槌の御利益をいただくことを目的に、なんと四国から参拝するかたもいるそう。

ぜひ、不思議な小槌を試してみてください。

子授けの御神木

子授けの御神木(こさずけのごしんぼく)は、子供が授かるという不思議な言い伝えがある御神木のクスノキです。

御神木のまわりを、正面から向かって右回り(時計回り)で3回まわると男の子。

正面から向かって左回り(反時計回り)に3回まわると、女の子を授かるといわれています。

御神木のまわりをまわるのは、実際に妊娠・出産する本人以外でも御利益があるそうです。

江戸時代に岡山城主の池田氏が世継ぎに恵まれず、このクスノキに願掛けをしたところ、子供を授かったとされます。

それ以降、子授けの御神木として祀られるようになりました。

銭洗弁財天

銭洗弁財天(ぜにあらい べんざいてん)は、金運上昇の不思議な力があるといわれています。

弁財天像の向かって左側にある御霊水は、本殿地下200メートルのところより湧出しているものです。

御霊水で金銭(硬貨、紙幣)を洗い清めると、不浄の塵垢が消えて清浄な福銭になるといわれています。

そして、お金が何倍にもなって返ってくるという言い伝えがあるのです。

そのため昇給や商売繁盛のほか、ギャンブルなどの祈願をするかたもいます。

御霊水に硬貨や紙幣を浸したあと、布などで拭き取って乾かしてください。

そのため参拝時にタオルやハンカチなど、拭くものを用意しておくのがおすすめです。

乾いたあとのお金は財布の中にお守り代わりに入れておいてもいいし、支払で使用しても構いません。

テレビのバラエティー番組で俳優の峰竜太氏が銭洗弁財天でお金を洗い、全国的にも知られるようになった注目のスポットです。

水子の母

水子の母は、水子供養をするところです。

由加山会館成就殿の東側にあります。

由加神社本宮のおもな行事

由加神社本宮では、年間にさまざまな行事がおこなわれます。

なかでも注目の行事は、以下の4つです。

【節分豆まき式】
毎年2月3日の節分では「笑いで邪気を吹き飛ばす」というコンセプトのもと、吉本興業からお笑い芸人を呼んで「節分豆まき式」をおこなっています。

【夏越大祓式 輪くぐり祭】
毎年6月30日におこなわれるのは、「夏越大祓式 輪くぐり祭」。
茅の輪(ちのわ)をくぐることで、夏に向けて邪気を払って健康に過ごせるように祈願し、一年の残り半分を元気に過ごそうとするものです。

【由加山 火渡り大祭】
毎年11月3日は、由加神社本宮の例大祭である「由加山 火渡り大祭」がおこなわれます。
願いを書いた「願い木」を燃やし、その火の上を裸足で歩く行事です。
由加神社本宮を代表する行事で、心願成就や無病息災・身体の健康などを願って多くの参拝客が訪れます。

【人形供養祭】
毎月24日におこなわれているのが、「人形供養祭」です。
人形やぬいぐるみは、不要になっても愛着があったりしてなかなか捨てづらいもの。
また雛人形や五月人形などは、親族などからいただいたものであったり、高価なものであったりして捨てるのは忍びなかったりします。
そのような人形やぬいぐるみなどを由加神社本宮へ持ってきて、お祓いして供養をしたうえでお焚き上げをおこないます
なお、お祓いは人形供養祭の当日におこないますが、お焚き上げをおこなうのは別の日です。

由加神社本宮の御朱印・御朱印帳・お守り・お土産など

神社では御朱印やお守りをいただけますよね。

由加神社本宮の御朱印や、注目の御朱印帳・お守り、参拝時におすすめのお土産などを紹介します。

御朱印

由加神社本宮では、御朱印をいただけます。

御朱印は社務所でいただけ、初穂料300円が必要です。

由加神社本宮オリジナル御朱印帳は3種類

由加神社本宮には、オリジナルの御朱印帳があります。

全部で以下の3種類です。

  • 倉敷児島デニム生地
  • 倉敷帆布(はんぷ)生地
  • 倉敷児島 畳縁(たたみべり)生地

倉敷児島 畳縁生地のみ、御朱印帳のサイズが少し大きくなります。

裏面

いずれも倉敷らしさ、あるいは児島らしさが感じられるのではないでしょうか。

3種いずれも初穂料は2,000円です。

「美禅守」は備前焼でつくられたかわいらしいお守り

由加神社本宮では、さまざまなお守りを授与しています。

そのなかでも注目なのが「美禅守(びぜんまもり)」です。

備前焼でつくられたお守りで、直径約1.3センチメートルの小さな球状

そして球の上下に約0.5センチメートルの木製ビーズも付いています。

ピラミッド型飲料容器のような包装もオシャレ。

美禅守には、災難除けの御利益があります。

美禅守は、(あお=青)・(はな=赤)・(こ=黄)の全3色

初穂料は800円です。

美禅守の詳細については、インタビューページを見てください。

「あんころ餅」は江戸時代からの由加山名物

由加山へ訪れたら、ぜひ買って帰りたいお土産があんころ餅です。

江戸時代から由加山の名物として、愛されてきました。

昔は徒歩での参拝だったため、疲れた体には甘いものがいいということで、あんころ餅が食べられるようになったといわれています。

かつて参道の門前町には、たくさんのあんころ餅の店があったそうです。

現在、門前町にあるあんころ餅の店は2店のみになりました。

そのうちの1店のあんころ餅が、由加神社本宮の境内にも置かれています。

境内で売っているあんころ餅は、1包 600円です。

同じく境内では、ゆずせんべいも販売されています。

長い歴史があり、多くの参拝客が訪れる由加神社本宮。

権禰宜(ごんねぎ)の下澤尚志さんへインタビューをしました。

由加神社本宮の権禰宜・下澤 尚志さんへインタビュー

長い歴史があり、多くの参拝客が訪れる由加神社本宮

権禰宜(ごんねぎ)の下澤尚志さんに、話題の「美禅守」が生まれた背景などについて話を聞きました。

地元デザイナーや伝統工芸とコラボしたお守り「美禅守」

──「美禅守」が人気だそうだが、美禅守が生まれた経緯を知りたい。

下澤(敬称略)──

美禅守の授与を始めたのは、令和3年(2021年)の12月からです。

由加神社本宮と岡山市のデザインユニット「dolt(ドルト)」さん、備前市の備前焼窯元さんとコラボレーションして生まれました。

備前焼という岡山県を代表する伝統工芸を使ったお守りなので、地元のよさを感じられるお守りに仕上がっていると思います。

実は、以前にdoltの代表のかたと由加神社本宮でコラボレーションしたお守りを制作したことがありました。

その後doltさんと備前焼の窯元さんがコラボレーションするということで、過去にdoltさんと由加神社本宮が協力したご縁で、お声がけいただいたしだいです。

また由加神社本宮といえば備前焼の鳥居と獅子が有名なので、備前焼つながりという理由もありますね。

──実際に美禅守の授与を始めて、参拝客からの評判はどうか。

下澤──

美禅守は大変好評でして、最初のころはすぐになくなってしまい、お待たせすることもありました。

備前焼でつくられているという特性上、すぐにご用意するのが難しかったのですが、その後はある程度余裕をもって授与できるようにしています。

ただ、状況によってはすぐに授与できないこともありますので、そのあたりはご理解いただけると幸いです。

美禅守には、災難除けの御利益があります。

令和2年より新型コロナウイルス感染症が流行していますので、美禅守の力で早期のコロナ禍終息を願い、明るくなっていただければと思いますね。

──ほかにコラボレーションしたり、おもしろい試みはあった?

下澤──

地元の伝統工芸である真田紐(さなだひも)を使った、縁結びのお守りも好評です。

あと現在は授与していないのですが、かつて由加神社本宮にあるタコ神様にちなんで、合格祈願のオクトパスお守りというのがあり、好評でした。

タコは英語でオクトパス(Octopus)。
それと「(机の上に)置くとパス(合格)」の語呂合わせです(笑)。

江戸時代の「両まいり」によって「厄除け総本山」に

──由加神社本宮は「厄除け総本山」と呼ばれているが、そうなった経緯は?

下澤──

由加神社本宮は、手置帆負命彦狭知命が主祭神です。

手置帆負命と彦狭知命は、建築や技能を司る「匠(たくみ)」の神様になります。

しかし江戸時代に由加山と金刀比羅宮の「両まいり」が盛んになると、旅の安全を祈願するために神直日命・大直日命が勧請(かんじょう=神を呼び寄せ、向かえ入れる)されました。

神直日命・大直日命は、災難除けの神様だからです。

それ以降、由加神社本宮は災難除けと、そこから発展して厄除け祈願のために参拝する人が多くなり、「厄除け総本山」とも呼ばれるようになったのです。

由加神社本宮は全国に52の分社がある

祈祷所

──由加神社本宮は「本宮」とあるが、分社はどれくらいある?

下澤──

文献などを調査しながら分社を確認できたのは、今のところ全国で52社です。

ほかにも文献で関連性が確認できないものもありますので、もしかしたらそれより多い可能性もあります。

分社があるのは西日本、とくに中国・四国・近畿・九州北部が多いですね。

もっとも西は長崎県の島原、東は奈良県奈良市に分社があります。

群馬県にも由加神社があるのですが、こちらはまだ確認が取れていません。

近場では市内水島の東塚、児島の下津井、児島沖の竪場島(たてばじま、通称:クジラ島)に分社の由加神社があります。

コロナ禍以前では、全国の分社をお参りする「由加神社めぐり」というのをおこなっていました。

各地の由加神社をお参りして、由加神社同士のご縁をつないでいこうと企画したものです。

瀬戸大橋の開通で両まいりがふたたび身近に

──最後にメッセージがあれば、どうぞ。

下澤──

江戸時代に盛んだった両まいりですが、一時下火になったこともあります。

しかし瀬戸大橋の開通で、本州と四国のあいだの行き来がしやすくなったので、ふたたび両まいりをされるかたが増えました

広島県や愛知県など、遠方から毎年両まいりをされる個人や企業のかたもおられます。

由加神社本宮には厄除けや災難除けをはじめ、合格祈願や子授けなど、さまざまな願いをもって参拝されると思います。

せっかく由加山という山の上までお参りに来られたので、しっかりと御利益をいただいて帰ってもらいたいですね。

固くならず、ぜひ気軽な気持ちで参拝してください。

由加山は国立公園の一部でもありますので、自然が豊かです。

春には桜、秋には紅葉も楽しめます。

ぜひ由加神社本宮にお参りして、心身ともにリフレッシュしていただけたら幸いです。

厄除け総本山・由加神社本宮で「両まいり」を

長い歴史があり、江戸時代には金比羅宮との「両まいり」で栄えた由加山。

倉敷美観地区から由加山までは、南東方面へ約13キロメートルです。

倉敷観光に訪れたとき、ぜひ由加神社本宮まで足をのばし、参拝してみてはいかがでしょうか。

また倉敷らしい御朱印帳や、備前焼を使ったお守り・美禅守もぜひいただいてみてください。

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