左腕・ワトソンと元サイ・ヤング賞投手・アリエタが現役引退を表明

2022年シーズンが開幕し、各球団がスケジュールを消化していくなか、2人のベテラン投手がユニフォームを脱ぐことを決断した。1人はパイレーツなどで活躍した救援左腕トニー・ワトソン。もう1人は2015年にナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したジェイク・アリエタだ。ワトソンは現役続行を望んでいたものの、肩のコンディションが万全ではなく、現役引退を決断。かつてカブスの絶対的エースとして活躍したアリエタも近年は衰えが顕著となっており、「このゲームから離れるべきときが来た」とキャリアに終止符を打った。

現在36歳のワトソンは、昨季エンゼルスとジャイアンツで合計62試合に登板して7勝4敗、19ホールド、防御率3.92を記録。60試合以上に登板したシーズンはメジャー11年間で9度目だった。防御率が4点台以上になったシーズンは1度しかなく、通算689試合に登板して防御率2.90を記録。パイレーツ時代には2年連続で防御率1点台(2014~15年)をマークしたこともあり、2014年にはオールスター・ゲームにも選出された。昨季までに積み上げた通算246ホールドは歴代1位の数字となっている(注:ホールドが公式記録になったのは1999年)。

一方、同じく現在36歳のアリエタは、昨季カブスとパドレスで合計24試合に登板して5勝14敗、防御率7.39を記録。防御率はメジャー12年間で自己ワーストの数字だった。全盛期は2013年途中~2017年の第1次カブス時代であり、特に2015年には22勝6敗、防御率1.77、236奪三振の好成績でサイ・ヤング賞を受賞。翌2016年は18勝を挙げ、オールスター・ゲームに選出された。しかし、この活躍は長くは続かず、2ケタ勝利を記録したのはフィリーズ移籍1年目の2018年が最後。カブス時代の2016年にワールドシリーズ制覇、2015年と2016年に合計2度のノーヒッターを経験し、メジャー通算115勝をマークした。

© MLB Advanced Media, LP.