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サッカーJ2栃木SCで9季にわたりDFなどで活躍し、2020年に引退した菅和範(かんかずのり)さん(36)が18日、宇都宮大の非常勤講師として“デビュー”した。科目は基盤教育の「スポーツと健康」。7月末ごろまで、サッカーを通じて体を動かす楽しさを学生に伝えていく。初の講義を終え「学生同士がコミュニケーションを深める一助になれば。楽しく取り組んでほしい」と笑顔で語った。
愛媛県出身の菅さんは高知大から08年にJ2岐阜(当時)に入団。12年に栃木SCへ移籍し主将も務めた。抜群のリーダーシップで「闘将」の異名をとり、リーグ戦通算295試合に出場。引退後はスポーツをしたい子どもたちを支援する団体を立ち上げ、本県を拠点に活動している。
非常勤講師となるきっかけは昨秋ごろ。以前からつながりがあった県サッカー協会最高顧問の石崎忠利(いしざきただとし)同大名誉教授から「やってみないか」と誘われたという。
中学、高校の保健体育の教員免許を取得している菅さんだが、かねて興味を持っていたのは大学での講義。「僕が『自立』を学び大きく成長したのが大学時代。社会へ飛び込むまでの4年間を本当に大事にしてほしい」との思いから、決断に至った。
複数学部の1年生計約160人に対し週2日、4こまを受け持つ。この日はあいにくの雨でグラウンドが使えず、室内でサッカーボールを使ったレクリエーションなどを行った。学生同士の交流をうながしつつ自身も積極的に話しかけ、笑顔の絶えない初日となった。
「別にサッカーを本格的に教えに来たわけじゃない」と、かつてJリーガーだったことを自ら学生に明かしてはない。一方で今後、雨天などで座学となった際には自身がサッカー人生から学んだことを伝えていくことも考えている。
任期は限られているが「大学との関係は続けていきたい。学生も巻き込んで、何か面白いことをしていきたいですね」と意欲的に語っていた。