マイナンバーカードの健康保険証の利用申込みで7500円分もらう方法、でも初診時は21円高くなる?

マイナンバーカードが健康保険証として本格的に利用できるようになっていることをご存じですか? しかも、マイナンバーカードの健康保険証の利用申込みを行うと、7,500円分のマイナポイントがもらえます。そこで今回は、マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット、申込み手順、そして問題点まで紹介します。


マイナンバーカードを健康保険証として使うメリット

2021年10月20日から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになりました。「マイナ保険証」とも呼ばれています。マイナ保険証は、医療機関を受診するときや薬局で薬を処方してもらうときに、これまでの健康保険証の代わりとして利用できるのです。

もちろん、これまでの健康保険証も今までどおり使えるのですが、マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、次のようなメリットがあります。

■就職、転職、引越しをしても、マイナンバーカードを健康保険証として使える
人生の節目には健康保険証の切り替えが必要になるもの。しかし、マイナンバーカードを利用していれば切り替えが不要になります。

■自分の医療費の情報を確認できる
医療費をいつどこでいくら支払ったかなどの情報を閲覧・確認できます。

■健診や薬の情報も確認できる
自身の健康管理にも役立つうえ、本人の同意があればこれらの情報を医療機関に提供することも可能。よりよい医療につながると期待されています。

■限度額適用認定証が不要に
高額な医療費がかかったときに、支払いをはじめから高額療養費制度の限度額にできる「限度額適用認定証」が不要に。一時的に高額な医療費を立て替える必要がなくなります。

マイナ保険証の使い方は、これまでの健康保険証とは少し違います。

マイナ保険証が使えるのは、「マイナ受付」のステッカーやポスターが貼ってある医療機関・薬局。受付付近にある顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードをセットし、数字4桁の暗証番号を入力するか、または顔認証を行うだけで、受付が完了します。

健康保険証としての利用登録でマイナポイントが受け取れる

2022年よりスタートした「マイナポイント第2弾」では、マイナンバーカードを取得して、条件を満たした場合に最大で2万円分のポイントがもらえます。手に入れたポイントは、キャッシュレス決済で利用できます。

マイナポイントをもらうための条件は、3つあります。

(1)マイナンバーカードを新規に取得した人(最大5000円相当)
マイナンバーカードを新規に取得した人は、指定のキャッシュレス決済を使ってチャージ・買い物をした場合に、チャージ・買い物金額の25%(最大5000円相当)のポイントがもらえます。つまり、2万円分のチャージ・買い物で5,000円相当のポイントがもらえることになります。なお、「マイナポイント第1弾」を受け取った人は対象外です。

(2)健康保険証としての利用登録を行った人(7,500円相当)
今回お話しした健康保険証としての利用登録を行うことで、7500円相当のポイントが受け取れます。すでに健康保険証としての登録を行った人も付与の対象です。

(3)公金受取口座の登録を行った人(7,500円相当)
公金受取口座とは、給付金や年金、児童手当などを受け取る金融機関の口座のこと。公金受取口座の登録を行うと、7,500円相当のポイントが受け取れます。

なお、(1)のマイナポイントはすでに受け取ることが可能。(2)(3)のマイナポイントは2022年6月から受け取れるようになる予定です。

健康保険証の利用申込みはどうやって行う?

マイナ保険証の利用申込みは、マイナンバーカード保有者向けサイト「マイナポータル」でできます。マイナポータルを使い、マイナンバーカードの健康保険証の利用申込みを行うときに必要なものは以下のとおりです。

・マイナンバーカード+数字4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書パスワード)
・マイナンバーカード読取対応のスマホ(またはパソコンとICカードリーダライタ)
・マイナポータルアプリ(またはマイナポータルAP(アプリ))のインストール

登録手順を紹介します。

【スマホで登録】

(1)マイナポータルのアプリを起動しログイン
マイナポータルの「ログイン」を選択し、マイナポータルにログインします。

ログインにはマイナンバーカードと数字4桁の暗証番号が必要です。暗証番号を入力したうえで、マイナンバーカードをスマホに読み込ませます。

(2)ログイン後「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」を選択

ボタンが表示されていない場合は、ボタンのあるところを左右にフリックすると見つかります。

(3)マイナポータルの利用者登録の確認

保険証利用登録画面が開きます。

ここでマイナポータルの利用者登録をしていない場合は、マイナポータルの利用者登録を行うかどうかを確認されます。利用者登録を行うと、マイナポータルとe-Taxやねんきんネットといった外部サイトを連携する「もっとつながる」などが利用できるようになります。利用者登録をする場合はチェックを入れて「同意して次に進む」を選択します。なお、保険証登録はマイナポータルの利用者登録をしなくてもできます。

続く画面の下部にある「申し込む」を選択し、数字4桁の暗証番号を入力。スマホにマイナンバーカードを読み込ませれば登録完了です。

【パソコンで登録】

パソコンでの登録には、ICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み込む必要があります。パソコンとスマホを併用する二次元バーコード読み取りでは登録できませんので、ご注意ください。

(1)マイナポータルのサイトにログイン
マイナポータルのサイトにある「ログイン」を選択し、マイナポータルにログインします。

(2)ログイン後「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」を選択

(3)マイナポータルの利用者登録の確認

(4)マイナンバーカードの読み取り

「申し込む」を選択するとマイナポータルAPが起動するので、ICカードリーダライタにマイナンバーカードを差し込み、暗証番号を入力します。これで登録完了です。

パソコンで登録するにはICカードリーダライタが必要です。その手間を考えるとスマホでの登録がずっと便利です。対応のスマホをお持ちなら、ぜひスマホで登録しましょう。

なお、コンビニのセブンイレブンなどにあるセブン銀行のATMでも健康保険証の利用申込みが可能。ATMの画面から「マイナンバーカードでの手続き」→「健康保険証利用の申込み」と進み、画面の指示にしたがって操作を行います。マイナンバーカードをATMに挿入し、数字4桁の暗証番号を入力すると、登録が完了します。

マイナ保険証だと初診が21円高くなる?

便利なうえにマイナポイントまで受け取れるマイナ保険証ですが、実は問題点も。2022年4月からマイナンバーカードの健康保険証を利用した場合、患者が窓口で支払う医療費が増えるというのです。

その額は、3割負担の人で初診時に21円、再診時に12円、調剤に9円とのこと。また、マイナ保険証が利用できる医療機関でこれまでの健康保険証を利用した場合の負担も初診で9円増えるそうです。というのも、マイナ保険証は、政府が普及を進めているものですが、普及が遅れており、取り組みを促すために対応病院の診療報酬を引き上げているからです。

確かにお話ししたように便利な部分もありますが、患者の負担が増えてしまうようでは、普及に水を差しかねません。

電子証明書の有効期限は5年

また、マイナンバーカードのICチップの中にある電子証明書の有効期限は5年となっています。この有効期限が5日以内となると、マイナ保険証が利用できなくなってしまいます。電子証明書は、有効期限の3か月前から無料で更新できます。しかし、更新のためにはお住まいの自治体の窓口に足を運ぶ必要があるので、少々面倒に思われる方もいるかもしれません。

とはいえ、マイナポイント自体は、マイナ保険証の利用登録を行うだけでもらえます。ですからまずはマイナ保険証の登録をしてマイナポイントを受け取るのがおすすめです。マイナポイントを受け取った上で、利用するかどうかを決めるのもよいでしょう。

マイナ保険証は、まだまだ新しい取り組みです。今後、利用者の追加負担ができるだけ少なくなるよう、改善されていくことを期待したいですね。

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